LLC(合同会社)はどのような法人形態なのですか?
すでにアメリカなどで株式会社に匹敵するくらい利用されているのがLLC(Limited Liability Company)と呼ばれる会社組織です。ひと言で言えば、“株式会社”というのは物的会社と呼ばれ、“物”を主体に考える会社ですが、LLCというのは人的会社と呼ばれ、“人”を主体に考える会社のことです。
どうしてそのような法人形態が現れたのでしょう?
従来、ビジネスは、設備に代表されるように、「物」があって初めて利益が生み出されるという考え方を基本にしています。つまり、株式会社は、投資家がお金を出し、それによって設備などを揃え、それを使うことによって利益が生み出されるという仕組みを基にしているのですね。
なるほど。
そこで「必ずしも物(お金)を出した人だけが利益を享受するのではなく、知識・ノウハウ・技術を提供している人も利益を受け取る仕組みを持った会社があってもいいのではないか」という思想からLLCという会社組織が生まれました。ですから、LLCでは多く出資した人だけが配当を多く受けるという形を取らないこともできます。例えば、お金は少ししか出資していなくても(極端な話、1円しか出資していなくても)、その人がいるからこそ会社の利益が生まれているという人材がいれば、定款によってその人に多くの利益配当の権利を付することも可能になります。
このような法人形態の出現で、ビジネススタイルはどう変わっていくでしょうか?
この会社組織を活用することで、従来であればお金を出した企業だけが会社の所有者であり、会社を自由にし、利益を享受していたのですが、お金を出した企業と能力を提供した人が対等な立場で会社を経営できることになりますね。これは、これからのビジネスには非常に適したスタイルだと思います。
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