初めての人にも安心!融資のための事業計画書の書き方
事前準備によって、融資率はまったく変わってきます。では、何に気をつけ、どのような手順で事業計画書を作成すればいいのか?そんな疑問にお答えするために、できるだけ詳しく解説しています。まずは、焦らずじっくり進めていきましょう!!
【1】事業計画書を作る前にまず考えるべきこと
【2】融資希望額を決める二つの方法
【3】数字はどのような手順で入れていくと楽か?
【4】事業計画書の文章の書き方
【5】事業計画書が出来上がったらチェックする事項
【1】事業計画書を作る前にまず考えるべきこと
「融資を受けるための事業計画書を作成しろと言われても、何から手をつけていいか全く分からない!」
そんな方も多いと思います。
そこで、日々、融資申請のための事業計画書作成の支援をしている私が、事業計画書の初心者のために
「重要なポイント」「コツ」を簡潔に伝授するのがこのコラムの役目です。
※ここでは国民生活金融公庫の創業時の融資申請書類作成を想定して解説していきますが、
これは他の金融機関へ提出する場合でも、「ポイント」「コツ」はほぼ同じですから参考にしていただけると思います。
さて、私たちは金融機関に事業計画書(借入申込書や資金使途表、収支計画など全てを含んで
事業計画書と表現します)を提出する訳ですが、そもそも金融機関側はなぜこのような物を
提出させるのかから考えていかなければなりません。
ビジネスを行なう際に、自社側の都合だけ考えていては顧客のニーズに応えられません。
事業を行なう上では、常に『相手側』から物事を発想していく必要があるのです。
そして、融資申請~事業計画書の作成においても、それは全く変わるところはありません。
相手(金融機関)が、どのような視点で事業計画書を読むのかが分かっていなければ
結果(融資の実行)は得られないのです。
前置きが長くなりましたが、結論をお話しますね。
金融機関は
確実に「元本」と「利息」を払ってくれそうかどうか?
を見極めようとしている!
すごく当たり前のように思えますよね。
金融機関はお金を貸して、「元本」と「利息」を遅滞なく支払ってもらうのが仕事です。
なので、それが可能かどうか(正確には可能そうかどうか)を見極めたいと考えているのです。
一見、当たり前のようですが、意外とここが忘れられていることが多くあります。
たとえば、ご相談でときおりあるのが、
「私のこの技術(あるいはアイデア)は画期的なものです。これが当ったらすごく儲かるものなんです。
これを上手く表現する事業計画書を作って融資を受けたいのです」
という方です。
これは、いちばん融資を受けられないパターンだという事に意外と気付かないのです。
先ほどもお話しましたように、融資を行なう金融機関は『確実に元本と利息を返済してもらいたい』のです。
「この技術(アイデア)が当ったら凄い!」では困るのです。当らなかったら「元本」と「利息」が返ってきません。
このようなものに貸し出しをして焦げ付いたりしたら担当者は、立場がありません。
「当ったら凄い!」というビジネスは良くも悪くもギャンブル的です。
ギャンブルが悪い訳ではありません。ベンチャービジネスとはそういうものです。
そして、こうした「当ったら凄い!」ものは、『融資』ではなく『投資』が合うのです。
投資の場合は、資金を出す側も「失敗したらお金は返ってこない」「でも、
当ったら大きなリターンがある」というものを望んでいますので「当ったら凄い!」という事業計画書でOKなのです。
さて、ここでは融資を受けるための事業計画書の話をしていますので「当ったら凄い!」
ではいけない事はお分かりいただけたかと思います。
ということは、まず事業計画書作成前に「そもそも自分が作ろうとしている事業計画は『融資』に向いているのかな?」という事をよく考える必要があるということです。
そう、相手側(金融機関)に立ってみて、「これは、自分が貸す側だったならば、
確実に元本と利息を回収できると判断できるか」という視点で考えてみるのです。
国民生活金融公庫の創業時融資などは特に、まだ実績のないものに貸し出すのですから
「確実に元本と利息を回収できるか」という視点が重要になってくるのです。
そのように考えれば、あまりに 「斬新すぎる」 「当れば凄い」 という事業計画が好まれないことも分かりますし、
逆に 「いきなり凄い利益は出ないが手堅い」 ことが全体から感じられる事業計画が好まれる
(=融資が実行されやすい)ことも分かります。
あなたの事業計画書を「投資」ではなく「融資」に向いたものになりそうでしょうか?
さて、次は事業計画書作成の実践的な話に移りましょう。
→ 【2】融資希望額を決める二つの方法
監修:296会社.com