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会社設立のプロが語る 起業家のための新会社法のポイント
VOL.2
新会社法で有限会社はどう変わる?


2006年5月1日に施行された新会社法。法改正のポイントである“資本金規制の撤廃”に続き、“有限会社制度の廃止”について丸山学行政書士にお話を伺いました。有限会社という会社形態はどう変わり、そのメリットはどのように引き継がれていくのか……まさに起業家必読の内容です。


ゲスト:丸山 学(まるやま まなぶ)
行政書士法人あすなろ(旧丸山行政書士事務所) 代表、
有限会社丸山事務所 代表取締役、
起業家支援団体NPO法人Jungle 理事

民間企業の経理・総務課長職を経て、2001年8月行政書士事務所を開業。
会社設立手続き、契約書作成代理、資金調達などの法務面だけでなく、
マーケティングやビジネスモデルの構築など経営全般において、
起業家を徹底的にサポートする。

1.有限会社を作りたかった起業家……、
 すでに有限会社の社長……、が選択する道

新会社法の下では有限会社が設立できなくなりましたが、
これは具体的にどのようなことを意味するのでしょう?

新会社法施行後は新たに有限会社の設立ができなくなるというお話ですね。
もともと、有限会社というのは同族だけで経営する小さな会社で、
株式会社のように取締役会、監査役といった機関を設置しなくても経営できるように、という趣旨からできた非常に便利な会社制度です。

とはいえ、実際には、本来であれば有限会社として運用するような“少人数の出資”“実質、社長ひとりの経営”といった小規模会社でも、対外的なイメージを考えて無理に株式会社の形態で設立しているケースが少なくありません。日本ではどうしても有限会社よりも株式会社の方が信用の高い印象があるからだと思われます。
こうした実態を踏まえて、有限会社という制度を廃止して株式会社に組み込んでしまおうというのが今回の趣旨
です。

そうなると、有限会社のメリット(取締役1名でもOK。頻繁な役員登記の面倒なし。
取締役会、監査役などの複雑な機関設置の義務なし)のある会社形態がまったくなくなってしまいます。
それこそ起業の促進がされなくなり、経済の活性化を妨げてしまう気がするのですが、どうでしょうか?

そうですね。そこで従来の株式会社の制度を大きく変えて、
有限会社的な株式会社も設立できるようになった
わけです。
そもそも有限会社と株式会社の大きな差違は“閉鎖性”にあります。

株式会社というのは、不特定多数の人間が出資をするパブリック(=公的)な存在であるという前提があります。
逆に有限会社はほとんど身内の人間が出資する会社が多いのです。

会社の運営で利害を受ける人も基本的に身内だった場合、
法律で会社の機関設計などを厳しく規定する重要性がそれほどなかったんですね。
つまり、会社の“閉鎖性”の強弱で法律による規定の強弱も変わってくるということになるのです。

今回の新会社法では定款で株式の譲渡制限をしている閉鎖性の高い株式会社を非公開会社と呼び、
この形態の株式会社には「取締役1名でもOK」「監査役は置かなくてもOK」「定款で定めれば
役員の任期を10年まで伸長できる」といった簡単で便利な部分は残しています

結果的に、ほぼ従来の有限会社と同じような気軽さで会社を設立できるという道を残したのです。
ですから、有限会社制度がなくなっても従来通り、自分ひとりだけでの会社設立も簡単にできますね。

2.増資なしで有限会社から株式会社へ変更できる

ちなみに、現在ある有限会社はどうなりますか?

簡単にいうと、

(1)新会社法施行後、有限会社はすべて法律上、株式会社になる。

(2)そのまま何の手続きもしないで放置しておくと、
法律上は株式会社でありながらも株式会社と名乗ることは許されないので、
有限会社と名乗らなければいけない。

(3)定款を変更し、所定の手続き(解散、設立の登記)を行うことによって、
株式会社と名乗れるようにすることも可能。

ということになります。

有限会社と株式会社の違いは、有限会社には役員の任期がないことや
決算公告の義務がないなど、わずらわしい作業がないことにあります。
例えば、定款変更、商号変更をしなかった場合、今まで通りに申告義務はないのでしょうか?

その通りです。新会社法の施行後も定款変更、商号変更もせず、
有限会社という商号を使い続ける限り、今までの有限会社法の規定がそのまま適用されます。

定款変更、商号変更の登記した場合、法律上も商号も“株式会社”に生まれ変わり、
実質的にも株式会社の法律に縛られることになってきます。
つまり、株式会社に移行してしまったら、役員の任期も決算公告の義務もあるということです。

それは面倒な印象を受けますが、何かいい解決方法はありますか?

ただ、新会社法では役員の任期は最長10年まで延ばすことができるようになるので楽にはなります。
これまでは有限会社が株式会社に組織変更をしようと思えば
大抵は資本金が 株式会社の最低資本金額(1,000万円)に達していなかったので、
まずは増資の手続きをした上で組織変更をするという手間がかかりました。

ですが、新会社法では株式会社でも資本金は1円から可能ですから、
増資もせずに有限会社から株式会社へ変更できるところが魅力です。
また、株式会社でも取締役1名という機関設計が可能なので役員の増員も実質不要なところもいいですね。

──前回、Vol.1『1円会社はあり得ない! 資本金は運営の資金と考える』へ戻る

──次回、Vol.3『取締役はひとりでOK! 無理をしない会社組織の作り方』へ続く

ゲスト:丸山 学(まるやま まなぶ)
丸行政書士法人あすなろ(旧丸山行政書士事務所) 代表、
有限会社丸山事務所 代表取締役、
起業家支援団体NPO法人Jungle 理事

民間企業の経理・総務課長職を経て、2001年8月行政書士事務所を開業。
会社設立手続き、契約書作成代理、資金調達などの法務面だけでなく、
マーケティングやビジネスモデルの構築など経営全般において、起業家を徹底的にサポートする。
商工会などでの講演やテレビ、ラジオ、雑誌等のマスコミ出演も多数。

著作には「行政書士になって年収1000万円稼ぐ法」「めざせ週末社長」「ブログではじめる!
ノーリスク起業法のすべて」「月100万円のキャッシュが残る 10の利益モデル」
(いずれも同文館出版)、「確認会社設立 1行政書士が教える1円で小さな会社をつくる本」
「新会社法対応 シロウトでもできる株式会社&LLC(合同会社)設立マニュアル」
(いずれも秀和システム)、「資格で起業」(PHP研究所)などがある。

ナビゲーター:大橋 悦子(おおはし えつこ)
株式会社ECOM 代表取締役、296会社有限責任事業組合(296LLP)職務執行者

平成5年株式会社金沢エアシステム入社し、株式会社日本エアシステムグランドホステスに勤務。その後、平成8年、渋谷工業株式会社入社国際部配属を経て、平成12年伊藤忠商事株式会社へ入社し、輸出入業務、営業、為替予約管理全般に携わる。平成14年起業家支援サイト296会社.com (作ろう会社どっとこむ)(http://www.296kaisha.com)を立ち上げ、翌年リーダーズクリエーション株式会社(現株式会社ECOM)を設立、代表取締役に就任。平成18年296会社有限責任事業組合(296LLP)立ち上げ、296会社.com (作ろう会社どっとこむ)事業部を同組合で職務執行者として運営。

独立開業支援を軸に、各分野のスペシャリストと業務提携し国内外法人設立支援、経理記帳支援事業、戦略の立案、各種法的相談支援、広報・PR・セミナーなどの企画・立案・運営業務の事業を幅広く行う。

小冊子「誰も教えてくれなかった起業・独立の極意」通算2万8,000部発行配布、「資本金1円で会社設立」セミナー通算15回開催延べ約500人参加、100社以上設立支援、「サラリーマン起業で年収3倍倶楽部」通算17回開催延べ2,000人参加、その他会計税務セミナー、コンサルティングコースなど開催し、毎回満員御礼にて多数の実績。

制作提供:(株)ECOM 296会社.com (作ろう会社どっとこむ)事業部 http://296kaisha.com
(C)2006 ECOM Co., LTd., All rights reserved. 296会社.com
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