銀座セカンドライフ片桐実央氏 Vol.1 一人起業に必要な起業準備(起業成功インタビュー)
この記事は2009年に掲載した起業家インタビューです。制度や数値は掲載当時のものです。最新の手続きは各カテゴリーの記事をご覧ください。
~ 起業を成功させるために必要な起業準備とバランス感覚 ~
片桐実央 銀座セカンドライフ株式会社 代表取締役(行政書士・1級ファイナンシャル・プランニング技能士)
<プロフィール>
祖母の認知症がきっかけで、シニアにターゲットを絞ったビジネスを展開を決意。花王株式会社法務部、大和証券SMBC引受審査部を経て行政書士・ファイナンシャルプランナー資格取得後、シニアの起業支援に特化したビジネスモデルをスタートさせ半年で黒字転換に成功。毎回大盛況の起業アントレ交流会の運営を行う片桐氏に、一人で起業を成功させるための秘訣と必要な起業準備についてお伺いした。
【VOL.1】起業に必要な起業準備「1.起業を視野に入れた転職の仕方」
山下:よろしくお願いします。まず、片桐社長の起業動機を教えてください。
片桐社長:起業動機は2点ありますが、まず1つは私自身の力を試したかったということがあります。以前、花王の法務部で働いていたのですが、私でなくともできる仕事だと感じていました。
私、片桐実央だからこそできる仕事がしたい、能力的なことではなく、私個人の資質・想いだからこそできる仕事はないかと考えていました。
あと、花王という大企業の看板で仕事をしていたので、私個人として仕事を請けていたのではないことにもどかしさを感じていました。
山下:もう1点の起業動機は何ですか?
片桐社長:このままでいいのか?と思いながら今後について悩んでいたところ、同時期に祖母の認知症が進み、グループホームという施設に入居することになりました。
引きこもりがちの祖母を私がもっと外に連れ出してあげることができたら、認知症の進行を遅らせることができたのではないか、もっと私にできることがあったのではないか、と考えるようになりました。この後悔はこの先ずっと続くだろうと思っています。
そのような経緯もあって、シニアの第二の人生が楽しくなるようなビジネスがしたいと思うようになり、自分がやるしかないと思い立ったのが3年前の話です。
山下:なるほど。だから社名に「セカンドライフ」と付いているわけですね。
片桐社長:はい。「セカンドライフ」は、第二の人生という意味ですが、その第二の人生の転機にスムーズなスタートをきるお手伝いがしたいという想いからつけました。
人それぞれ様々な「セカンドライフ」がある中で、弊社は起業支援事業に特化しております。サービス対象が50歳の方々が主ですが、将来的にはもっと高齢の方々を対象にビジネスを展開していきたいと思っています。
山下:3年前に起業を決意し、実際に会社設立するまでに具体的に何をしましたか?
片桐社長:まず、家を買いました(笑)
山下:それはまたどうしてですか?(笑)
片桐社長:私自身の花王株式会社法務・コンプライアンス部門での経験を考えた場合、法律家という専門職を活かした起業スタイルになり、お客様からの相談を受ける場所が必要になるだろうと思ったからです。
山下:それを聞くと、買わずに借りた方が良かったのではと感じる人もいると思いますが?
片桐社長:一定の支払いが発生することで、自分自身に稼がなければという動機付けをするためです(笑)もしうまくいかなかった場合は、そこを賃貸で貸すことも考えていました。
山下:なるほど。
片桐社長:不動産を買って花王を辞めた後、大和証券SMBCに転職しました。
山下:どうしてですか?
片桐社長:起業を考えた場合、当初の私の経験(法律)だけでは足りないと考え、経営と金融の勉強をするために大和証券SMBCに転職しました。
その後、仕事をしながら行政書士やファイナンシャルプランナーの資格を取得しました。
山下:なるほど。起業を視野に入れた転職、資格取得ということですね。
片桐社長:はい。
山下:起業資金は、どのように準備されたのですか?
片桐社長:働いていた時から貯蓄はしていましたが、仕入れが必要な事業モデルではないので、大きな資金は用意していません。現金を20万円しか用意していないのですが、資本金は300万円になっています。
山下:どうやったんですか?
片桐社長:残り280万は現物出資です。有価証券・パソコン・机などです。
【VOL.1】起業に必要な起業準備「2.一度はやっておきたいSWOT分析」
片桐社長:起業を考えるようになってから、自分のSWOT分析を何度も行いました。
強み(Strength)弱み(Weakness)機会(Opportunity)脅威(Threat)
山下:片桐社長の強みは何ですか?
片桐社長:人見知りしないことが私の強みです。
山下:確かに、まったく人見知りされないですよね(笑)では、弱みは何でしょうか?
片桐社長:飽きやすいことです。発想がどんどん広がっていってしまいます。(笑)
山下:高齢者増加に伴う、世の中の人口構造の変化は、御社にとって機会となるわけですね。銀座を選んだ理由は?
片桐社長:銀座が好きなんです(笑)
山下:3年前に、高齢者が喜ぶビジネスがしたいと決意してから、どの時点で今の事業モデルに決めたのですか?
片桐社長:自分の前職の経験(法律・会計)と、資格を活かせるサービスを考えた時、起業支援にたどり着きました。会社設立の3ヶ月前から具体的に煮詰め、事業計画書に落とし込みをしました。
山下:行動に移してみていかがでしたか?
片桐社長:事業計画書として、紙に落とし込みをしているので、それが軸足となりブレが少ないように感じます。起業すると、いろんな方にお会いし、たくさんの意見を頂きます。もし軸が無かったら、その意見に右往左往していたと思います。
山下:売上の方は、計画と比べてどうでしょうか?
片桐社長:お蔭様で計画以上にうまくいっています。当初は、交流会の開催は3ヶ月に1度の計画だったのですが、予想以上に好評で今では1ヶ月に1度開催するようになりました。
──次回、Vol.2:『1人起業を成功させるツール』へ続く
