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話題の起業家が明かすビジネス成功の秘訣(2)

<ゲストプロフィール>

安田 佳生(やすだ よしお)
株式会社ワイキューブ 代表取締役

株式会社リクルートを経て、1990年にワイキューブを設立。主に中小ベンチャー企業を対象に業績向上を目的とした経営・人材コンサルティング事業を展開。著書『千円札は拾うな。』(サンマーク出版)やメールマガジン『サルならわかる経営の真実』など、著作も多数。

VOL.2
人を育てる気がない人には経営なんて無理

人材採用のコンサルティングを行っているワイキューブは、新卒採用に特化したノウハウ・サービスを提供することで成功しました。経験者=即戦力と考える多くの経営者の常識をくつがえす、その発想の源はどこにあるのか? 採用のエキスパートである代表取締役、安田佳生さんが考える“いい人材”とは? 誰もが悩む採用のカギを解き明かします。

1. 中途採用では良い人材は採れない
起業家の方が成長し、事業拡大時期に突入したと同時に、人を雇い入れるステージにも入るわけですが、新卒を採用する場合、どうしても一から教えてあげないといけないので、それよりも経験豊富な中途採用の方が即戦力にもなり、有利ではないかと考えてしまう傾向にあるようです。ワイキューブさんでは、中途採用よりも新卒採用を推奨されているようですが、起業家の方にもその考え方はあてはまるのでしょうか?

  若い頃はそのように考えるのは仕方がないかもしれませんね。ただ、そういう風に考えるようでは社長には向いていないと思います。

どうしてでしょう?

  新卒の人材を必ず誰かが育てているわけでしょう。誰かが育てているなら、俺が育ててやろうという気概の人でないとダメだと思います。面倒臭いから誰かが育てた人材を戦力になってからもらおうなどという社長は大成しないでしょう。人を育てようと思わない人に経営なんてできないと思いますよ。

なるほど、安田社長が考える人を育てるポイントを教えてもらえますか?

僕は、自分が育てた人材ではないと、自分の会社の事業では使えないし、人生を共有できないと思っています。例えば、ものすごく頭が良く、人間性も良く、自分になついてくれる子を、突然「これはあなたの子供です」と言われてうれしいですか? 出来が悪くても、自分で育てて、血が繋がっていることの方が大事だと思います。やっぱり生まれた時から一緒に苦労しているからこその楽しさじゃないですか。いきなり出来の良い東大に入れるような息子ができても全然うれしくありませんし、なぜ欲しいと思うのかがわからないですね。もちろん出来が悪いからかわいいいってことじゃないですよ、出来が良い方がもちろんいいですが(笑)。

確かにそうですよね。ただ、新卒の学生は大企業に採用されるイメージがあって、名もない中小零細企業に入社しようと思ってくれるのかなと考えてしまいますが……。

そんなことないと思いますね。みんなが勝手に思っているだけじゃないですか。

先入観ということですか?

そうです。リクルート出身者に成功する人が多いのは新卒採用をするからですよ。新卒一人を採用するのに平気で300万円もかけられるからです。もし、僕がリクルート出身でなければ新卒採用なんて知らなかったと思いますが。

その価値を見出したのはすごいですね。

優秀な人の中には転職する人もいますけれど、ここはアメリカじゃなくて日本なので、基本的にできる人は辞めないんですよ。だから、新卒40万人の上位1割くらいを最初に捕まえた会社が勝つわけです。その中の人を転職させて、その人たちだけで組織を作るといっても20??30人を集めるのが限界でしょう。100人を超える会社を中途採用で作ろうと思ったら、日本では無理です。野球で言えば、ドラフトに一切出ないで、トレードでしかチームを作らないと言っているようなものですから。育てる気がまったくないわけですから、そんなのはチームとしては成り立たないわけです。

若い人は勢いがあってすごくいいですが、チームを統率できる能力や社会における倫理観など、そういったことに絡む仕事に関しては、ある程度の年配者や経験されている方を、と思ってしまいますが、そのあたりはどうでしょう?

そういうことは役員に任せればいいんです。それに倫理という意味では「若いから倫理がない」「経験があるから倫理がある」ということはないと思います。みんな錯覚しているんですね。例えば、営業を10年やっている人が営業を1年やっている人よりできるって思い込んでいるだけ。もしそうだったら、世の中で営業を10年やっている人はみんな営業ができるってことじゃないですか。実際にはそうでないことの方が多いですよね。

そう考えると、資質を持っている人材をゼロから育て上げる方がいいということですね。

その方が早いんですよ。ゴルフも自己流で10年やっている人よりも、やったことない人の方が教えやすい。それと一緒だと思うんです。自己流でやりながら完璧なフォームですごいスコアで出す人を即戦力で採れたらいいですけど、そんなことはありえない。それを証拠に、中小企業は「いい人が欲しい」と言いながら、全然採れていない。大企業でも新卒を採用して、育てているわけじゃないですか。それなのに、どうして中小企業が大企業でさえ採れない即戦力となる人材を採れるのか? 新卒でさえ採れないと思っている会社が、なぜ即戦力を中途で採れると思うのかが理解できないです。例えば、上場企業で営業の責任者をやっていた人が中小企業に移って喜んで課長をやりますか?

よほどの事情がない限りやらないでしょうね。

2. オフィスの環境づくりは投資ではなく消費である
2、3年事業をやっていると、一緒にやってきたブレインや仲間と考え方やビジョンに差が出てきたり、方向性が変わってきたりして、うまくいかなるケースがありますが、安田社長にもそういった経験はありましたか?

役員が何人か辞めて、お客さんも離れていったこともありましたね。私たちの会社の価値観が変わりましたから、お客さんは途中で全部入れ替わりましたね。考え方を変えて、他にもいろいろなことを変えながら6、7年が経って、その考え方を世の中で認めてくれる人がやっと出ててきた。

どうしても資本を投入したからにはリターンを期待したりしますね。スタッフを食べさせていかなくちゃいけないとかって考えると、売上を必死に上げようと考えてしまう傾向にありますが……。

スタッフを食べさせようなんて思うのは傲慢なんです。そんなこと誰にもできないですよ。自分で食べていけばいいんです。

自立型の人材が集まればいいですよね。

それを邪魔しない環境を作ることがベストじゃないですか。モチベーションを下げることはできても、上げることはできないですから。その人がもともと持っているモチベーションを下げない環境を作ってあげるということが一番できることなんじゃないかと思っていますし、やる気のない人をやる気にさせるなんていうのはおこがましいですよ。

やる気のある人のモチベーションを保つために、例えば、ワイキューブさんでクライアント様に推奨している何か具体的な環境作りとか、その他、何か事例とかあれば教えて頂けますか?

例えば、その人の目指しているところを、とりわけ若い人の目標というのはおぼろげなんで、それを聞いてあげてある程度明確にしていきます。多くの人は会社とプライベートを別々に考えますが、誰でも人生で成し遂げたいことは大事で、それを今やっている仕事とどうリンクしているのかを明確につなげてあげることが大事ですね。後は、その人がやっているプロセスを評価してあげるシステム作りとかですね。

評価してあげるシステムというのはワイキューブさんではどういうものがありますか?

どんな素晴らしいシステムを作っても、100%の精度の評価はできないんですよ。結局、評価する側のスキルが大事なんです。だから、評価する側を訓練して、育てていくことが私たちの基本のプログラムです。評価を通じて、評価している側を育てる。評価している側の人間がどうしてそのメンバーに対してそういった評価をしているのかなど、評価している側の人間を評価会議で話し合うというのが特徴です。

共通の価値観や認識を作り出すのはなかなか難しいように感じますが、いかがでしょうか?

難しいですよね。でも、そこに答えはないので、そこでみんなですりあわせをして、違うんじゃないのかとか、正しいのではないのかとか、そういうことを話し合うこと自体が価値あることなのではないかと思っています。

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──次回、Vol.3『伸ばす社長とつぶす社長の違い』へ続く

ゲスト:安田 佳生(やすだ よしお)
株式会社ワイキューブ 代表取締役

1965年大阪生まれ。18歳でアメリカに渡り、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後、リクルートに入社。営業を約2年間経験した後、25歳で株式会社ワイキューブを設立。中小・ベンチャー企業を対象とした経営戦略立案、人材・営業コンサルティング事業を展開。独自の手法による戦略立案、ツール製作、コンサルティングサービスの提供により、多くのクライアント企業の業績アップを実現。著書『千円札は拾うな。』(サンマーク出版)やメールマガジン『サルならわかる経営の真実』など、著作も多数。

ナビゲーター:大橋 悦子(おおはし えつこ)
株式会社ECOM 代表取締役、296有限責任事業組合(296LLP) 職務執行者

平成5年株式会社金沢エアシステム入社し、株式会社日本エアシステムグランドホステスに勤務。その後、平成8年、渋谷工業株式会社入社国際部配属を経て、平成12年伊藤忠商事株式会社へ入社し、輸出入業務、営業、為替予約管理全般に携わる。平成14年起業家支援サイト296会社.com (作ろう会社どっとこむ)(http://www.296kaisha.com)を立ち上げ、翌年リーダーズクリエーション株式会社(現株式会社ECOM)を設立、代表取締役に就任。平成18年296会社有限責任事業組合(296LLP)立ち上げ、296会社.com (作ろう会社どっとこむ)事業部を同組合で職務執行者として運営。

独立開業支援を軸に、各分野のスペシャリストと業務提携し国内外法人設立支援、経理記帳支援事業、戦略の立案、各種法的相談支援、広報・PR・セミナーなどの企画・立案・運営業務の事業を幅広く行う。

小冊子「誰も教えてくれなかった起業・独立の極意」通算2万8,000部発行配布、「資本金1円で会社設立」セミナー通算15回開催延べ約500人参加、100社以上設立支援、「サラリーマン起業で年収3倍倶楽部」通算17回開催延べ2,000人参加、その他会計税務セミナー、コンサルティングコースなど開催し、毎回満員御礼にて多数の実績。

ナビゲーター:山下 健一(やました けんいち)
296会社有限責任事業組合(296LLP)職務執行者

新卒で会計コンサルタント、新規開拓営業として急成長のベンチャー企業に入社。入社して3ヶ月目から営業実績表彰を多数受賞。クライアント数延べ約107社を担当し、会計経営コンサルタントとしてクライアント企業に毎月のコンサルティングと状況に応じた税理士・司法書士・社労士・弁護士・行政書士などのアレンジメントを行う。

平成15年、インターネットマーケティング活用した急成長中のクライアント企業へ経営幹部としてヘッドハンティングされ、CFO(財務管理責任者)、人事責任者、経営戦略に従事。新卒・中途合わせ、選考人数1,500名を超える。

<インタビューの感想>
安田社長はとても物腰も柔らかで、スタッフを心から信頼していることが話をしている中からも伝わってきました。今回是非起業を考えるみんさまに事業成功の秘訣をお伝えしたく、取材の機会をいただきました。 これからの起業には、本当にビジョンが欠かせないと感じました。 山下

制作提供:(株)ECOM296会社.com (作ろう会社どっとこむ)事業部
(C)2006ECOM Co., LTd., All rights reserved.296会社.com

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──次回、Vol.3『伸ばす社長とつぶす社長の違い』へ続く

バックナンバー
Vol.1『ビジョンがない起業は成功しない』
Vol.2『人を育てる気がない人は経営なんて無理』
Vol.3『伸ばす社長とつぶす社長の違い』

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