管轄の法務局は登記管轄一覧表で調べ、会社設立後は証明書をオンラインで請求します

会社の登記を担当する法務局は、法務局の登記管轄一覧表で本店所在地から調べます。設立の登記が終わったら印鑑カードを受け取り、証明書はオンライン請求で取ると窓口より安く済みます。
| 手続き | いつ | 手数料・税額 |
|---|---|---|
| 印鑑カードの交付申請 | 設立登記のあと(会社の印鑑を届け出た場合) | 印鑑カード交付申請書を登記所に出す |
| 登記事項証明書の請求 | 届出や口座開設で必要なとき | 窓口600円/オンライン請求で送付520円/オンライン請求で窓口受取490円 |
| 印鑑証明書の請求 | 契約や手続きで必要なとき | 窓口500円/オンライン請求で送付450円/オンライン請求で窓口受取420円 |
| 役員の変更登記 | 変更が生じてから2週間以内 | 登録免許税1万円(資本金1億円以下の会社) |
| 本店移転・商号や目的の変更登記 | 変更が生じてから2週間以内 | 登録免許税は本店移転が1か所3万円、商号・目的の変更が1件3万円 |
旧サイトのこのページには、全国の法務局と出張所の住所・電話番号の表を載せていました。法務局は出張所の統合などで、同じ市でも担当の登記所が変わった地域があるため、古い表のままでは別の役所を訪ねてしまうおそれがあります。そこで表は外し、担当の法務局を法務局の公式ページで調べる方法と、設立の登記が終わったあとに受け取るもの、よく使う証明書の取り方、設立後に起こりやすい変更登記をまとめました。法務局は設立のときだけ行く役所と思われがちですが、役員の任期が来たときや本店を移したときにも、期限つきの登記が必要になります。証明書の手数料は2025年4月に改定されており、表の金額は改定後のものです。
担当の法務局は登記管轄一覧表で調べる
法務局の登記管轄一覧表を開き、地方ごとに並んだ法務局・地方法務局から本店がある都道府県を選びます。進んだ先のページに、市区町村ごとの担当の登記所(本局・支局・出張所)が載っています。
たとえば東京都なら、東京法務局の不動産登記/商業・法人登記の管轄区域一覧で、区市町村ごとに担当の庁を確かめられます。表には不動産登記と商業・法人登記の列があり、会社の登記で見るのは商業・法人登記の列です。庁によっては証明書の交付だけを扱い、登記の申請は受け付けていないところもあります。
変更登記の申請は、本店所在地を担当する登記所に出します。一方、コンピュータで管理されている会社の登記事項証明書は、最寄りの登記所で、ほかの管轄の会社の分も取れます。
設立の登記が終わったら受け取るもの
印鑑カード
設立の登記と一緒に会社の印鑑(代表者印)を届け出た場合、印鑑証明書を取るには印鑑カードが必要です。登記が終わったら、会社を登記した登記所に印鑑カード交付申請書を出して受け取ります。様式は法務局の登記事項証明書・印鑑証明書等の交付請求書の様式のページにあり、記載例もあります。代理人が受け取る場合は委任状が要ります。
登記事項証明書(履歴事項全部証明書)
設立後の届出や法人口座の開設で使います。ただし、求められる形は窓口によって違います。
- 年金事務所:提出日から90日以内に交付された原本(コピー不可)
- ハローワーク:3か月以内に取ったもの(コピー可)
- 都道府県税事務所・市区町村:写しでよいとするところが多い
- 税務署:法人設立届出書には添付不要
原本が必要な提出先の数を数えてから請求すると、無駄な手数料がかかりません。各窓口の手続きは年金事務所、労働基準監督署とハローワーク、都道府県税事務所・市区町村、税務署の記事にまとめています。
印鑑証明書
銀行での口座開設や、不動産・融資の契約などで求められます。窓口では印鑑証明書交付申請書に印鑑カードを添えて請求します。郵送でも請求でき、その場合は印鑑カード、収入印紙、返信用の切手と封筒を同封します。
証明書はオンラインで請求すると安い
登記事項証明書と印鑑証明書は、法務省の登記・供託オンライン申請システムにある「かんたん登記・供託申請」から請求できます。窓口で書面請求するより手数料が安く、郵送で受け取るか、急ぐときは指定した登記所の窓口で受け取るかを選べます。
- 初めて使うとき:初めてご利用になる方へを読み、申請者情報を登録します
- 登記事項証明書:登記事項証明書(会社・法人)を取得したい方の手順で請求し、手数料は電子納付します
- 印鑑証明書:会社・法人代表者の印鑑証明書を取得したい方の手順で請求します。印鑑を届け出た本人が請求し、電子証明書による電子署名が必要です。マイナンバーカードでも請求できます
窓口受取を選んでも、手数料を収入印紙で払うことはできません。電子納付を済ませ、画面に表示される電子納付情報を印刷して窓口に出します。印鑑証明書を窓口で受け取るときは、印鑑カードを必ず見せます。
設立後に起こりやすい変更登記
会社法では、登記した事項に変更が生じたら、2週間以内に本店所在地で変更の登記をしなければならないと決められています。期限を過ぎると過料の対象になることがあるため、変更が決まった時点で準備を始めます。
役員の変更
取締役や監査役の就任・辞任のほか、任期が満了して同じ人が続ける場合(重任)も登記が必要です。登録免許税は1件3万円で、資本金1億円以下の会社は1万円です。法務局のサイトには、取締役会を置かない会社で役員が入れ替わる場合の変更登記申請書の様式と記載例も載っています。
本店の移転
登録免許税は本店1か所につき3万円です。担当の法務局が変わる移転では、移転前と移転後の両方の本店所在地で登記をするため、その分の税額がかかります。登記のあとは、税務署・都道府県・市区町村・年金事務所などへの異動の届出も必要です。
商号や事業目的の変更
登録免許税は1件3万円です。新しい事業に許認可が必要な場合は、目的の書き方を許認可の窓口に確かめてから変更すると、やり直しを防げます(業種別の許認可)。
代表者の住所を登記簿に出したくない場合
2024年10月1日から、代表取締役などの住所を市区町村(東京23区は区、政令指定都市は区)までしか表示しない措置を申し出られるようになりました。申出は、代表者の住所が登記される登記の申請と同時にする場合に限られます。法務省は、金融機関の融資で不都合が生じたり、取引で必要な書類が増えたりする影響があると案内しています。また、この措置を受けても住所変更の登記の義務はなくなりません(法務省の案内)。
法務局へ行く前に確かめること
- 行き先の庁が商業・法人登記の申請を扱っているか(証明書の交付だけの庁がある)
- 印鑑カードの交付申請なら、届け出た会社の印鑑と申請書。代理人なら委任状
- 窓口で証明書を請求するなら、手数料分の収入印紙
- 変更登記なら、申請書、株主総会や取締役会の議事録などの添付書面、登録免許税分の収入印紙
- 会社の商号・本店所在地・会社法人等番号の控え
変更登記の書類づくりに不安があるなら、登記の専門家である司法書士に頼む方法もあります。登記・印鑑・契約の記事は登記・印鑑・契約のカテゴリーに、設立後の手続き全体は提出先ごとの一覧にまとめています。
よくある質問
登記事項証明書は、本店を担当する法務局でなくても取れますか?
取れます。コンピュータで管理されている会社の登記事項証明書は、最寄りの登記所で、ほかの管轄の会社の分も請求できます。オンラインで請求すれば、法務局へ行かずに郵送で受け取ることもでき、手数料も窓口の600円より安い520円です。ただし、コンピュータで管理されていない古い登記簿の謄本や抄本は、本店や支店の所在地を担当する登記所でしか取れません。設立したばかりの会社なら、通常はどこでも取れると考えてかまいません。
印鑑証明書をオンラインで請求するには何が必要ですか?
会社の印鑑を届け出た本人の電子証明書が必要です。法務局は、マイナンバーカードでも請求できると案内しています。かんたん登記・供託申請で申請者情報を登録し、請求の画面で電子署名をして送り、手数料を電子納付します。受け取りは郵送のほか、急ぐときは指定した登記所の窓口も選べます。窓口で受け取るときは印鑑カードを必ず見せる必要があり、手数料を収入印紙で払うことはできない点に注意してください。請求の前に、電子証明書を読み取れる環境を用意しておくと安心です。
役員の任期が満了して同じ人が続ける場合も登記は必要ですか?
必要です。任期が満了して同じ人がそのまま役員を続ける場合も重任として登記し、変更が生じてから2週間以内に本店所在地を担当する法務局へ申請します。登録免許税は1件3万円で、資本金1億円以下の会社は1万円です。小さな会社は定款で任期を長くしていることが多く、任期が来たことに気づかないまま期限を過ぎる例が起こりがちです。定款で決めた任期を確かめ、満了の時期を予定表に入れておきましょう。登録免許税は収入印紙で納められます。
