会社設立後の法人設立届は都道府県税事務所と市区町村にも出し、期限は自治体ごとに違います

会社を設立したら、税務署とは別に地方税の窓口へも法人設立届を出します。本店が東京23区なら都税事務所だけ、それ以外は道府県税事務所と市町村の両方で、期限は自治体ごとに違います。
| 本店の場所 | 法人設立届の出し先 | 期限の例 |
|---|---|---|
| 東京23区 | 都税事務所のみ | 東京都:設立(事業開始)から15日以内 |
| 東京都の市町村 | 都税事務所と市役所・町村役場 | 東京都は15日以内、市町村はそれぞれの定め |
| 神奈川県 | 県税事務所と市町村 | 神奈川県:事業開始から2か月以内/川崎市:設立から2か月以内 |
| 愛知県 | 県税事務所と市町村 | 愛知県:設立から2か月以内 |
| どの地域も | 法人住民税・法人事業税の確定申告 | 事業年度終了の日から2か月以内 |
旧サイトのこのページでは、全国の都道府県税事務所の住所と電話番号を表にしていました。その後の組織の統合や庁舎の移転で、表の内容は今の窓口と合わなくなっています。そこで表は載せず、会社を担当する地方税の窓口を自治体の公式ページで探す方法と、設立後に出す届出、その後の申告の流れに書き直しました。税務署への届出と違い、地方税の届出は出す先が2か所になる地域が多く、期限も全国で同じではありません。東京都のように15日以内と短いところもあるため、登記が終わったらまず自分の本店がどの自治体の扱いになるかを確かめてください。届出の次に来る法人住民税・法人事業税の申告と、オンラインで出せるeLTAXの使い方もあわせて紹介します。
出し先は本店が東京23区かどうかで変わる
会社には、国の税金とは別に、都道府県と市区町村の税金がかかります。会社に関係するのは主に法人住民税(都道府県民税と市町村民税)と法人事業税です。
東京23区に本店がある会社
23区では、区の法人住民税にあたる部分も都民税として東京都がまとめて扱います。そのため法人設立届も申告も、担当の都税事務所だけに出せば済み、区役所への届出はありません。
東京都の市町村(多摩地域・島しょ)に本店がある会社
都税事務所(島しょは支庁)に都民税の届出をし、別に市役所・町村役場へ市町村民税の届出をします。同じ東京都でも、23区の外では出し先が2か所になります。
道府県に本店がある会社
道府県税事務所(自治体によって名称が違います)と、本店がある市町村の両方に出します。政令指定都市では区役所ではなく市の担当課に集約していることがあり、たとえば横浜市は法人市民税の届出を市の法人課税課で受け付けています。支店や営業所を別の市町村に置いた場合は、その市町村にも届出が要ります。
担当の窓口は自治体のページで探す
地方税の窓口は、全国を一度に検索できる公式ページがありません。都道府県のサイトにある事務所一覧と担当区域の表で確かめます。
- 東京都:主税局の都税事務所一覧にある所管区域の一覧表で、法人事業税・法人都民税の列を見ます。たとえば千代田区と文京区は千代田都税事務所、港区は港都税事務所の担当です。
- 神奈川県:県税事務所等一覧に、市町村ごとの担当事務所が載っています。藤沢市・茅ヶ崎市・寒川町は藤沢県税事務所の担当です。
- そのほかの道府県:都道府県名と「県税事務所 所管区域」などの言葉で検索し、その自治体の公式ページで確かめます。
- 市町村:本店がある市町村のサイトで、法人住民税(法人市民税)の届出のページを確かめます。
担当区域は統合で変わることがあるので、古い資料やまとめサイトの表ではなく、提出する直前に自治体のページを見るようにしてください。
法人設立届の期限は自治体ごとに決まっている
税務署への法人設立届出書は全国共通で2か月以内ですが、地方税の届出の期限は各自治体が条例で決めています。確かめられた例を挙げます。
- 東京都(都税事務所):設立(事業開始)の日から15日以内。都内で初めて事務所を設けた場合の設置届も、設置の日から15日以内です。
- 神奈川県(県税事務所):事業を開始した日から2か月以内。
- 愛知県(県税事務所):会社を設立した日から2か月以内。
- 川崎市:設立または開設の日から2か月以内。
いちばん早い期限に合わせ、税務署・都道府県・市町村の3か所へ同じ時期にまとめて出すと、出し忘れを防げます。税務署へ出す書類は税務署の調べ方と届出の一覧にまとめています。
届出の次に来る地方税の申告
赤字でもかかる均等割
法人住民税は、利益に応じてかかる法人税割と、利益に関係なく事務所があるだけでかかる均等割でできています。東京23区だけに事務所がある、資本金等の額1,000万円以下・従業者50人以下の会社なら、均等割は年7万円です(道府県分と特別区分の合計)。1期目が赤字でも均等割は納めるので、資金繰りに入れておきます。
法人事業税と申告期限
法人事業税は会社の所得などにかかる都道府県の税金で、あわせて特別法人事業税も申告します。法人住民税・法人事業税の確定申告と納付は、原則として事業年度終了の日から2か月以内です。申告期限の延長の承認を受けている場合は、延長された日までになります。
届出と申告はeLTAXでオンラインにできる
地方税の手続きは、eLTAX(地方税ポータルシステム)でオンラインにできます。できることは大きく3つです。
- 電子申請・届出:法人設立届や異動届をオンラインで出す
- 電子申告:法人都道府県民税・法人事業税・法人市町村民税などの申告書を出す
- 電子納付:地方税お支払サイトなどから、クレジットカードやインターネットバンキングで納める
使い始めるには、eLTAXのサイトから利用届出(新規)を出して利用者IDと暗証番号を受け取り、無料の専用ソフトPCdeskを入れるか、eLTAX対応の会計ソフトを使います。電子申請・届出だけなら、電子証明書があれば利用者IDがなくても出せます。マイナポータルの法人設立ワンストップサービスからも、法人設立届をまとめて出せます。
窓口や郵送で出すときの用意
- 法人設立届(自治体ごとの様式。税務署の様式とは別)
- 定款の写し
- 登記事項証明書(履歴事項全部証明書):東京都・愛知県・横浜市は写しでよいと案内しています
- 提出先ごとに1通ずつの添付書類(23区以外の東京都内なら、都と市町村の分が要ります)
- 自分用の控え
東京都の都税事務所に出す場合は、法務省のオンライン登記情報提供制度で取った照会番号と発行年月日を届出書に書けば、登記事項証明書の添付を省けます。照会番号は提出先ごとに必要です。市町村でこの方法が使えるかは、提出先に確かめてください。
地方税の申告は法人税の申告と同じ数字を使うため、決算と一緒に税理士へ任せる会社が多くあります。依頼先を探すなら税理士コンシェルジュを参考にしてください。
よくある質問
東京23区に本店がある会社は、区役所にも法人の届出が必要ですか?
区役所への法人の届出は必要ありません。23区では、市町村民税にあたる部分も含めて都民税として東京都が扱うため、法人設立届も法人住民税の申告も、担当の都税事務所に出せば済みます。期限は設立(事業開始)から15日以内と短いので注意してください。一方、八王子市や武蔵野市など23区の外に本店がある場合は、都税事務所に加えて市役所・町村役場への届出も必要になります。23区内で本店を移した場合も、担当の都税事務所が変わることがあります。
1期目が赤字でも法人住民税はかかりますか?
均等割の部分はかかります。法人住民税のうち法人税割は利益に応じて決まるため赤字なら出ませんが、均等割は事務所があるだけでかかる定額の税です。東京23区だけに事務所があり、資本金等の額が1,000万円以下・従業者50人以下の会社なら年7万円です。ほかの地域でも道府県分と市町村分の均等割がかかるので、本店がある自治体のページで金額を確かめ、1期目の資金計画に入れておきましょう。なお法人税割は、法人税の額をもとに計算されます。
本店を別の市や県へ移したときは、どこに届け出ますか?
移転先の都道府県と市町村に、新たに事務所を設けた届出をします。東京都では、都内で初めて事務所を設けた場合の設置届は設置の日から15日以内です。移転前の自治体にも、本店の所在地が変わった異動の届出を出します。eLTAXなら異動届もオンラインで出せます。あわせて税務署への異動届出、法務局での本店移転の登記、年金事務所での所在地変更も必要になるので、同じ時期にまとめて進めると漏れを防げます。届出の期限は自治体ごとに違うので、移転先の自治体のページで確かめてください。
