管轄の年金事務所は日本年金機構の窓口検索で調べ、会社設立後5日以内に新規適用届を出します

聴診器と、顔写真の枠がある横長のカード2枚、記入欄の枠だけの届出用紙とペン

会社は社長一人でも、役員報酬を払うなら健康保険と厚生年金保険に入る義務があり、事実発生から5日以内に新規適用届と資格取得届を、管轄の年金事務所または事務センターへ出します。

書類期限内容
健康保険・厚生年金保険 新規適用届事実発生から5日以内会社が社会保険の適用事業所になる届出
健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届事実発生から5日以内社長・役員・従業員のうち加入する人ごと
健康保険 被扶養者(異動)届資格取得届と一緒に扶養する家族がいる場合
保険料口座振替納付申出書任意保険料を口座から引き落とす場合
毎月の保険料翌月末日まで会社が本人負担分とあわせて納める

旧サイトのこのページには、全国の社会保険事務所の住所と電話番号を並べていました。社会保険事務所は2010年に日本年金機構の年金事務所へ切り替わり、その後も所在地や担当区域が変わっているため、古い表は使えません。そこでこの記事では、自分の会社を担当する年金事務所を日本年金機構の検索ページで探す方法と、設立後に出す書類、窓口へ持っていくものを整理しました。社会保険の手続きは期限が5日以内と短く、社長一人の会社でも対象になります。役員報酬を払い始める日が決まったら、その日を起点に準備を始めてください。保険料の決まり方や、2026年4月分から加わった子ども・子育て支援金にも触れます。

年金事務所は日本年金機構の窓口ページで探す

日本年金機構の全国の相談・手続き窓口では、次の方法で担当の年金事務所を探せます。

  • 都道府県から探す:都道府県を選ぶと、その地域の年金事務所が並びます
  • 管轄区域から探す:年金事務所ごとの担当区域が確かめられます
  • 年金事務所等の検索:名称や住所から探せます
  • 地図から探す:地図の上で近くの事務所を探せます

ここで注意したいのが、税務署との違いです。税務署は登記上の本店所在地で決まりますが、社会保険は実際に事業を行っている場所で決まります。登記上の本店と実際の事務所が違う場合は、実際の事務所の所在地を担当する年金事務所(事務センター)が提出先です。

書類は年金事務所の窓口に持っていくほか、郵送なら事務センター宛てでも受け付けています。協会けんぽに加入する会社は、健康保険の加入手続きも同じ書類で年金事務所に出します。

設立後に年金事務所へ出す書類

新規適用届:会社を社会保険の適用事業所にする

法人の事業所は、常時働く人がいれば、事業主(社長)だけの場合も含めて加入が義務づけられています。一方で、報酬を受けない役員だけの会社は加入できません。社長一人の会社なら、役員報酬を払うと決めたときに手続きが必要になります。

期限は事実発生から5日以内です。法人の場合は、提出日からさかのぼって90日以内に交付された登記簿謄本(履歴事項全部証明書)の原本を添付します。コピーは使えません。届出書で法人番号を書く場合は、法人番号指定通知書のコピーも付けます。用意できないときは、国税庁の法人番号公表サイトで調べた画面を印刷したものでも代えられます。

事業所の所在地が登記上の住所と違う場合は、賃貸借契約書のコピーなど、所在地が分かる書類も必要です。

被保険者資格取得届:加入する人ごとに出す

新規適用届と一緒に、社長を含めて加入する人の資格取得届を出します。その後に従業員を採用したときも、採用した日から5日以内に出します。原則として添付書類は要りません。

パートやアルバイトは、1週の所定労働時間と1か月の所定労働日数が、同じ事業所の通常の従業員の4分の3以上なら加入します。

被扶養者(異動)届:家族を扶養に入れる

社長や従業員が配偶者や子どもを扶養していて、要件を満たす場合に出します。内容によっては添付書類が必要です。20歳以上60歳未満の配偶者を扶養に入れるときは、国民年金第3号被保険者の届出も行います。

保険料口座振替納付申出書:引き落としにする場合

保険料は口座振替か納入告知書(納付書)で納めます。口座振替にするなら、事前に金融機関での手続きを済ませてから申出書を出します。

保険料は役員報酬の額で決まり、翌月末に納める

保険料は報酬の額をもとに決まり、会社と本人が負担します。会社は本人の分を報酬から差し引き、会社の分とあわせて翌月末日までに納めます。役員報酬の額を決めるときは、社会保険料もあわせて考えておくと、手元に残る金額を見誤りません(役員報酬と社会保険料、役員報酬の決め方)。

2026年4月分(5月納付分)からは、子ども・子育て支援金が健康保険料に上乗せされています。協会けんぽの場合、支援金の率は給与・賞与の0.23%です。健康保険組合に入る会社は、組合の案内で率を確かめてください。

窓口へ行く前に用意するもの

  • 記入した新規適用届・被保険者資格取得届(扶養家族がいれば被扶養者(異動)届)
  • 登記簿謄本(履歴事項全部証明書)の原本:提出日から90日以内に交付されたもの
  • 法人番号指定通知書のコピー、または法人番号公表サイトの画面の印刷
  • 登記と違う場所で事業をしている場合は、賃貸借契約書のコピーなど
  • 加入する人の氏名・生年月日・報酬の額と、基礎年金番号またはマイナンバー
  • 口座振替にする場合は、金融機関で手続きした申出書

登記簿謄本は、年金事務所では原本が必要です。都道府県税事務所やハローワークでは写しでよい場合があるので、法務局で取る通数を決めるときの目安にしてください(法務局の調べ方と証明書の取り方)。

e-Govの電子申請なら窓口に行かずに出せる

新規適用届は、窓口持参や郵送のほか、電子申請でも出せます。日本年金機構の電子申請(e-Gov)の案内によると、事業主が電子申請できる届書は約330種類あり、資格取得届や被扶養者(異動)届、毎年の算定基礎届、賞与支払届も含まれます。

電子申請には、電子証明書かGビズIDが必要です。GビズIDは、事業主のマイナンバーカードとスマートフォンのアプリを使えばオンラインで取れます。入力の方法は、1件ずつ画面に入力する方式と、日本年金機構の届書作成プログラムで作ったデータを添付する方式があります。毎月の手続きが増える前に、設立の段階で電子申請の準備をしておくと後が楽です。

労働保険・雇用保険は窓口が別です。従業員を雇ったら労働基準監督署とハローワークの手続きも確かめてください。社会保険全体の記事は社会保険・労働保険のカテゴリーにあります。

よくある質問

社長一人で従業員がいなくても、社会保険に入らなければいけませんか?

役員報酬を受け取るなら加入が必要です。法人の事業所は、働く人が事業主だけの場合も含めて健康保険と厚生年金保険の加入が義務づけられています。役員報酬を払うと決めたら、事実発生から5日以内に新規適用届と社長本人の資格取得届を管轄の年金事務所か事務センターへ出します。会社の負担分と本人の負担分をあわせた保険料を、翌月末日までに会社が納めることになるので、報酬額は保険料も含めて考えましょう。保険料は会社と本人で分け合って負担します。

役員報酬をゼロにしている間も、新規適用届は出しますか?

報酬を受けない役員だけの会社は、社会保険に加入できません。日本年金機構は、法人が新規適用を受けるには被保険者となる人が1人以上必要で、無報酬の役員だけでは対象にならないと案内しています。その間、社長は国民健康保険と国民年金に入ることになります。役員報酬を払い始める、または従業員を雇うと決まった時点で、新規適用届と資格取得届を5日以内に出せるよう、登記簿謄本などを準備しておきましょう。報酬額を決めるときは、保険料の負担もあわせて考えます。

登記上の本店と実際の事務所の場所が違う場合、どこの年金事務所に出しますか?

実際に事業を行っている所在地を担当する年金事務所または事務センターに出します。税務署が登記上の本店所在地で決まるのとは扱いが違うので注意してください。この場合、新規適用届には登記簿謄本の原本に加えて、賃貸借契約書のコピーなど、実際の所在地を確かめられる書類を添付します。担当の事務所は、日本年金機構の全国の相談・手続き窓口のページで、実際の事務所の住所から検索できます。郵送する場合も、提出先は実際の所在地の担当です。

株式会社タックスコム 代表取締役 山下健一

執筆|株式会社タックスコム 代表取締役

山下 健一

日本で唯一、税理士業界を3方向(お客様の声、帳簿の中身、事務所の内情)から見てきた税理士コンシェルジュ

税理士紹介を20年。税理士を探す社長の声を、今も聞き続けています。帳簿の中身は経理の代行で、事務所の内情は1,600名以上の所長面談で見てきました。税理士でも会計士でもない第三者だから話せる裏側を、お伝えします。

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