会社設立の流れ、準備から登記・設立後の届出までの順番

大きさの違う2つの白いビルの模型と、ひもで綴じた書類の束

会社設立の流れは、基本事項と会社の決まりを固め、出資を払い込み、法務局で登記を申請し、設立後に届け出る順で進みます。

会社をつくる作業は、社名や本店の場所を決めるところから始まり、会社の決まりを書いた定款を整え、資本金を払い込み、法務局で手続きをして終わります。株式会社と合同会社では、途中の手順が少し違います。

会社が成立した後も、税務署や年金事務所への届出が続きます。手続きごとにかかる期間と、順番を入れ替えられない理由を、準備から設立後の届出まで並べて説明します。最後に、手続きを任せる先の分け方も整理します。

社長1人で会社をつくる場合も、株式会社と合同会社のどちらを選ぶ場合も、たどる順番は同じです。どこで時間がかかり、どこを前倒しできるかを、手順ごとに確かめられるようにしました。

数値の確認日:2026年10月27日(法務省ほかの公式ページで確認)

会社設立の流れとは

会社設立の流れとは、会社の中身を決める準備から、法務局で会社が成立し、役所へ届け出るまでの一続きの手順をいいます。前の段階で作った書類を次の段階で使うため、順番を入れ替えられません。

会社設立とは、法律上の会社を新しくつくり、会社の名前で契約や取引ができる状態にすることです。株式会社は、本店の所在地で設立の登記をした時点で成立し、その日が会社の誕生日になります。

会社の誕生日は、決算の時期や届出の期限を数える起点になります。設立の日を決めてから逆算すると、どの書類をいつまでに用意するかが見えてきます。

全体は5つの手順に分けると見通しがよくなります。基本事項を決める準備、定款の作成と認証、資本金の払込み、法務局への登記の申請、設立後の届出です。

手順ごとに関わる相手も変わります。準備と案文は発起人だけで進められますが、認証では公証人、払込みでは金融機関、申請では法務局が相手になります。

出資者が1人でも複数でも、手順の数は変わりません。会社設立の書類は多く見えますが、流れに沿って並べると、どの書類も一つ前の書類を前提に作られています。

準備に使える時間が短いときも、順番は崩せません。資本金の額が決まらないと払込みができず、払込みの記録がないと登記の申請書類がそろわないためです。

会社の成立後も、税務署・都道府県・市区町村・年金事務所への届出が続きます。登記の完了で会社設立の手続きは一区切りですが、届出まで終えて初めて流れが完了します。

届出は、税務署なら国税、都道府県と市区町村なら地方税、年金事務所なら社会保険と、受け持つ分野が分かれています。同じ会社の情報を、提出先ごとの様式に書き写す作業になります。

  1. 基本事項を決める(商号・本店所在地・事業目的・資本金・役員・事業年度)
  2. 定款を作成し、株式会社は公証人の認証を受ける
  3. 資本金を発起人の口座へ払い込む
  4. 法務局へ設立の登記を申請する
  5. 登記が終わったら、税務署・自治体・年金事務所へ届け出る

準備で決める基本事項の一覧

準備で決める基本事項は、商号、本店所在地、事業目的、資本金の額、役員、事業年度の6項目です。多くは案文や申請書に書く内容なので、案文を作る前に決め切ります。

6項目のうち、後から変えると手間がかかるのは商号と本店所在地です。会社の成立後に変える場合は、変更の手続きと届出のやり直しが必要になるため、最初に時間をかけて決めます。

商号は会社の名前です。商業登記法は、同じ所在場所で同じ商号の登記を認めていないため、候補を決めたら、本店にする住所に同じ名前の会社がないかを確かめます。

事業目的には、これから行う事業と、近いうちに始めたい事業を書きます。会社設立の準備で許認可が要る事業かどうかを確かめておくと、流れの途中で目的を書き直す手間を防げます。

資本金の額は、発起人が払い込むお金の合計です。役員は、株式会社なら取締役を何人置くか、合同会社なら業務を行う社員を誰にするかを決めます。

株式会社で役員の任期を延ばす場合は、その定めを案文に書きます。任期を長くすると、役員が同じ顔ぶれでも任期ごとに出す手続きの回数を減らせます。

事業年度は決算をする期間の区切りで、設立日から最初の決算日までが1期目になります。決算日を設立した月の直前の月にすると1期目を長く取れ、直後の月にすると1期目が短く終わります。

社長1人で始める会社では、発起人も取締役も社長自身が務める形になります。家族や知人から出資を受ける場合は、出資の割合と役員の顔ぶれを話し合う工程が、会社設立の手続きの流れに加わります。

決めた内容は、項目ごとに一覧のメモにまとめておくと、案文を作るときにも申請書を書くときにも同じ表記をそのまま使えます。書類ごとに書き方が違うと、補正の対象になります。

定款の作成と認証の手順

定款の作成と認証の手順は、案文を作り、発起人全員が署名または記名押印し、株式会社なら公証役場で認証を受ける順番です。合同会社には認証の手続きがありません。

案文は、会社法が必ず書くよう求める事項と、書かなくても会社が成立する事項に分かれます。必須の項目を先に埋め、会社の運営に合わせた決まりを後から足す順に進めると迷いません。

会社法は、株式会社の定款は公証人の認証を受けなければ効力が生じないと定めています。作り方は紙と電磁的記録の2通りで、電磁的記録で作るものは電子定款と呼ばれ、電子署名を付けて公証人に送ります。

認証は公証役場で受けます。案文を事前に公証人へ送って確かめてもらうと、認証の日の手戻りが減ります。認証の日が決まると、払込みから申請までの流れが固まり、会社設立の日も見通せるようになります。

認証を受けた後は、会社が成立するまで原則として書き換えができません。案文に書いた事項を直したくなると認証をやり直すことになるため、案文の段階で発起人全員が読み合わせます。

公証役場へは、発起人本人が行くか、代理人に頼みます。人に任せるときは委任状が要るため、案文と一緒に用意しておくと当日の手続きが滞りません。

合同会社は、社員になろうとする人が案文を作り、署名または記名押印すれば完成です。公証役場に行く日程がいらない分、会社設立の流れは株式会社より短くなります。

記載事項を一つずつ確かめる方法は、定款の作り方を扱う記事で説明します。ここでは、案文が全体のどこに入り、次の払込みにどうつながるかを押さえます。

認証が終わると、認証を受けた書類の謄本が渡されます。申請のときに添付するため、受け取ったら払込みの証明や就任承諾書とまとめて保管します。

資本金の払込みはいつ行うか

木の机に濃紺の通帳と黒いペンが置かれている

資本金の払込みは、発起人が設立時に発行する株式を引き受けた後、遅れずに、発起人が定めた銀行等の口座へ行います。会社名義の預金はまだ作れないため、発起人個人の口座を使います。

発起人が複数いる場合は、全員が同じ口座に振り込み、誰がいくら払い込んだかを記録に残します。払込みに使う口座は、発起人の名前のものであれば、ふだん使っている普通預金でも構いません。

払込みは、通帳に誰がいくら振り込んだかが記録される形で行います。もともと口座にあった残高では払込みを示せないため、発起人の名前で入金の記録を残します。

通帳の表紙、表紙の裏、振込みが記録されたページの写しに、払込みを証明する書面を添えると、申請の添付書類ができあがります。払込みの証明は、会社設立の手続きの流れでは後半の登記申請で添付します。

払込みは、資本金の額を決めた後に行います。振り込む金額と、案文に書いた資本金の額が一致しているかを、振込みの前に確かめます。

払込みを証明する書面には、払い込まれた金額の合計と払込みの日を書き、代表取締役になる人が記名押印します。様式は法務局の記載例にそろえます。

合同会社も、設立の申請までに出資の全額を払い込みます。社長1人の合同会社なら、社長が自分の口座に振り込み、その記録を払込みの証明に使います。

払込みの記録は、会社の成立後に通帳を見返すときにも、資本金がどこから入ったかを示す資料になります。証明の写しを取ったら、通帳と一緒に保管します。

資本金の額の決め方や、設立時の消費税との関係は、資本金の決め方を扱う記事で説明します。払込みまで終われば、会社設立の手続きは流れの前半を終え、書類の多い登記の申請に移ります。

振込みの名義を会社名にしたり、別の人の口座から振り込んだりすると、発起人が払い込んだ記録になりません。振込みの前に、名義と金額をもう一度確かめます。

登記申請の必要書類

登記申請の必要書類は、申請書、定款、発起人の決定書、取締役の就任承諾書、払込みの証明書、印鑑証明書などで、会社の形によって組み合わせが変わります。どの書類も、法務局が公開している記載例で形を確かめられます。

株式会社の設立の登記は、本店の所在地を管轄する法務局へ申請します。会社法は、設立時取締役の調査が終わった日と発起人が定めた日のうち、遅い日から2週間以内に申請するよう定めています。

調査とは、設立時取締役が、出資がすべて払い込まれたかなどを確かめる手続きです。調査が終わった日を書類に残しておくと、申請の期限を数えやすくなります。

申請書には、商号、本店、目的、資本金の額、役員などを書き、登録免許税を納めます。出し方は、法務局の窓口に持ち込む方法、郵送する方法、オンラインで申請する方法の3通りです。

会社設立の流れで最も書類が多いのがこの申請です。書類の名前と順番を、法務省が公開している申請書の様式と記載例にそろえると、取り違えを防げます。

国税庁は、法人の設立の日を設立登記の日としています。会社設立の日付を特定の日にしたい場合は、その日に申請するよう流れを逆算して準備します。

法務局から書類の誤りを指摘されると、直して出し直す手間が生じます。会社設立を急ぐときほど、申請前の読み合わせに時間を使い、流れを止めない工夫をします。

申請書と添付書類は、法務局の記載例と同じ順に重ね、ページの抜けがないかを確かめてから提出します。郵送する場合は、申請書の控えと送った日の記録を手元に残します。

提出した後は、補正の連絡を受けられるよう、申請書に書いた連絡先の電話に出られる状態にしておきます。補正がなければ、法務局の案内する日に手続きが完了します。

株式会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する。

出典:e-Gov法令検索「会社法」第四十九条(2026年10月時点)

期間が延びやすい手続きはどこか

木の机に丸い置き時計と白い封筒が置かれている

期間が延びやすいのは、基本事項の決定、公証役場との日程調整、法務局での書類の補正の3か所です。どれも準備の仕方で短くできます。

3か所に共通するのは、ほかの人の返事を待つ点です。基本事項は出資者や役員になる人、認証は公証人、補正は法務局の確認を待ちます。返事を待つ間に次の書類を作ると、全体が短くまとまります。

全体の期間を最も左右するのは、基本事項が決まるまでの時間です。商号や事業目的、役員の顔ぶれで迷うと案文が固まらず、その後の手続きがすべて待ちになります。

公証役場での認証は、公証人と日程を合わせて受けます。案文のやりとりが何度も続くと認証の日が後ろにずれるため、会社設立の流れを短くしたい場合は案文を早めに送ります。

法務局に申請した後は、登記の完了を待ちます。終わるまでの期間は法務局や時期によって異なり、書類に誤りがあると補正の連絡が来て、その分だけ完了が遅れます。

補正は、申請書と添付書類の表記の違いや、押印の漏れからも生じます。提出前に、商号・本店・役員の氏名がすべての書類で同じ表記になっているかを照らし合わせます。

資本金の払込みは口座への振込みだけで済むため、ほかの手続きと比べて時間はかかりません。振り込む金額は案文で決めた資本金の額に合わせるため、案文が固まってから振込みの日を決めます。

開業の日や取引の開始日が先に決まっている場合は、その日から逆算して会社設立の各手続きに期間を割り振り、流れの途中に予備の日を入れます。補正が1回入るだけで予定がずれるためです。

予備の日は、認証の後と申請の後に置くと効果があります。どちらも相手の確認を待つ手続きで、予定どおりに進まないときの調整がしやすいためです。

公証役場や法務局は、土曜・日曜・祝日は手続きを受け付けません。日程を組むときは、平日だけで日数を数えます。

株式会社と合同会社の手順の違い

株式会社と合同会社の手順の違いは、公証人の認証の有無と、定款を作る人の決まりにあります。どちらも本店の所在地で登記をして成立する点は同じです。

定款を作る人の呼び方が違うのは、株式会社の出資者が株主になり、合同会社の出資者が社員になるためです。合同会社の場合は、出資して会社の持ち主になる人をそう呼びます。

株式会社は発起人が案文を作り、公証人の認証を受けます。公証役場の日程を取る必要があるため、会社設立を株式会社で進める流れには、認証を待つ時間が入ります。

合同会社は、社員になろうとする人が案文を作ります。公証人の認証を受ける定めが無いため、案文ができたらそのまま出資と申請に進めます。手続きの数が少ない分、準備の期間も短くまとまります。

どちらの形でも、設立後に税務署や年金事務所へ出す届出は同じです。法人の事業所は、株式会社でも合同会社でも厚生年金保険の適用事業所になります。

形を選ぶときは、手続きの手間だけでなく、取引先からの見え方や将来の出資の受け方も比べます。形の選び方は、株式会社と合同会社の違いを比べる記事で詳しく扱います。

会社設立の手順の数だけを比べると、合同会社の流れのほうが短く済みます。どちらを選んでも、申請までの書類は一つずつ順番にそろえます。

合同会社から株式会社へ後で変えることもできますが、変更の手続きと費用がかかります。取引先や将来の出資者からの見え方を考え、設立の段階でどちらにするかを決めておくと手戻りがありません。

社長1人の会社では、どちらの形でも出資者と役員が同じ人になります。手続きの手間を優先するなら合同会社、対外的な見え方を優先するなら株式会社という選び方が、判断の目安になります。

株式会社と合同会社の設立手続きの違い
項目株式会社合同会社
定款を作る人発起人社員になろうとする人
公証人の認証受ける定めが無い
会社が成立する時本店所在地で設立の登記をした時本店所在地で設立の登記をした時

※会社法第26条・第30条・第49条(株式会社)、第575条・第579条(合同会社)の定めによります。認証の有無が、両者の手順の長さの違いを生みます。

会社設立の流れをオンラインで進める方法

会社設立の流れは、定款の認証と設立の登記をオンラインで同時に申請する方法でも進められます。法務省は2021年2月15日からこの取扱いを始めています。

同時申請は、登記・供託オンライン申請システムか、法人設立ワンストップサービスから行います。申請の日に公証人とのウェブ会議で認証を受ける形のため、事前に公証役場と日程を合わせます。

ウェブ会議では、公証人が画面越しに本人確認をし、案文の内容を読み合わせます。カメラとマイクの付いたパソコンと、電子署名に使う証明書を、会議の前に用意します。

法務省は、役員等が5人以内で、添付書類をすべて電子データで送り、登録免許税を電子納付し、補正が無い申請について、原則として24時間以内に登記を完了するとしています。条件のうち一つでも欠けると、通常の処理期間で扱われます。

書類を郵送や持参で出すと、この扱いの対象から外れます。会社設立をオンラインで済ませる流れでは、電子署名と、申請書を作るパソコンの環境が最初の準備になります。

オンラインで申請するときは、会社の印鑑を法務局に届け出るかどうかを選べます。法務省は、2021年2月15日からオンラインで申請する場合の印鑑の提出を任意としています。

電子署名には、マイナンバーカードの署名用電子証明書などを使います。カードの暗証番号を忘れていると手続きが止まるため、事前に確かめておきます。

電子署名やシステムの準備に時間がかかる場合は、書面での申請を選んでも構いません。書面で出しても会社設立の手続きの流れは変わらず、認証と申請を別の日に行う点だけが違います。

オンラインでの申請に慣れていない場合は、書面で出す書類とオンラインで送る書類を混ぜずに、どちらか一方にそろえると迷いません。一部だけ書面にすると、24時間以内の扱いから外れるためです。

設立後に出す届出の期限

設立後に出す届出の期限は提出先ごとに定められており、年金事務所の新規適用届は5日以内、税務署の法人設立届出書は2か月以内です。期限の短い届出から順に準備します。

国税庁は、法人設立届出書の提出時期を「法人設立の日(設立登記の日)以後2月以内」と案内しています。提出先は納税地の所轄税務署長で、e-Taxでも提出できます。

法人設立届出書には、定款の写しなどを添付します。同じ時期に都道府県と市区町村へも届け出るため、写しは提出先の数だけ用意しておきます。

日本年金機構は、株式会社などの法人の事業所を、事業主のみの場合も含めて厚生年金保険の適用事業所としています。新規適用届の提出時期は、事実発生から5日以内です。

都道府県と市区町村にも、法人の設立を届け出ます。期限は自治体ごとに定められているため、本店のある自治体の案内で確かめます。

税務署には、青色申告の承認申請書や給与支払事務所等の開設届出書なども出します。どの届出を出すかは会社の状況で変わるため、提出先ごとの一覧での確認を、会社設立の手続きの流れの最後に置きます。

設立した後の届出の全体は、会社設立後にやることを最初の90日間で期限の早い順に並べた全体像にまとめています。会社設立から最初の届出までの流れを一つの表に書き出すと、どの届出がいつ来るかが一目で分かります。

期限が短いのは年金事務所への届出で、会社が成立した週のうちに準備を始めます。設立したばかりの会社でも届出の対象になるため、後回しにしない手続きの一つです。

届出の中には、期限を過ぎると適用を受けられない申請も含まれます。提出先ごとに期限を書き出し、近いものから順に出していくと、漏れを防げます。

届出の様式は、国税庁や日本年金機構のホームページから取り出せます。会社の情報は、申請書と同じ表記で書き写します。

会社の印鑑と法人口座を用意する時期

会社の印鑑は案文や申請書を作る前に、法人口座は登記が終わった後に用意するのが、手続きの順番に合った時期です。順番を逆にすると、口座の申込みで書類がそろいません。

会社の印鑑には、代表者が使う代表者印のほか、口座の手続きに使う銀行印や、請求書などに使う角印があります。用途ごとに分けると、印鑑を持ち出す場面を減らせます。

書面で申請する場合は、会社の代表者の印鑑を法務局に届け出ます。届け出ると、会社の印鑑証明書を取れるようになり、契約や口座の開設で使えます。

法人口座は、会社が成立した後でなければ申し込めません。申込みでは、登記の内容を示す証明書や会社の印鑑などを求められるため、登記が完了してから手続きを始めます。

口座の審査には時間がかかることがあり、開設までは資本金を払い込んだ社長個人の口座にお金が残ります。会社設立の流れを組むときは、口座ができるまでの支払いをどうするかも決めておきます。

口座ができたら、資本金を会社の口座に移し、会社と社長のお金を分けて管理します。立て替えた設立費用は、領収書をそろえて会社から精算します。

審査では、事業の内容が分かる資料や、本店の所在地で事業をしている様子を示す資料を求められることもあります。ホームページや事業計画書を、口座の申込みまでに整えておきます。

印鑑を早めに作っておくと、就任承諾書や決定書に押すときに困りません。オンラインで申請し印鑑を届け出ない場合も、会社設立の後は取引先との契約で押印を求められることがあるため、印鑑の作成は流れの前半に入れておきます。

個人の口座と会社の口座を分けた後は、会社の支払いを会社の口座からだけ行います。社長個人のカードで会社の費用を払うと、後の精算と記帳の手間が増えます。

手続きを任せる先の分け方

木の机に並ぶトレーに書類の束が分けて入れられている

手続きを任せる先は、登記の申請が司法書士、社会保険の手続きが社会保険労務士、税務の判断が税理士と、内容ごとに分かれます。自分で進める手続きと任せる手続きを、最初に分けて考えます。

どの専門家も、担当外の手続きは扱えません。登記の書類を税理士に頼む、届出の判断を司法書士に頼むといった頼み方では手続きが進まないため、内容ごとに依頼先を分けます。

会社設立の流れは、社長が自分で進めることもできます。書類の様式は法務省や国税庁、日本年金機構が公開しており、記載例を見ながら作れます。

許認可が要る事業では、行政書士が申請を扱います。事業目的の書き方は許認可の審査に関わるため、許認可の要否の確認は、会社設立を任せるかどうかに関わらず流れの最初の作業になります。

依頼先に渡す資料は、基本事項のメモ、発起人と役員の本人確認書類、印鑑証明書などです。事前にそろえておくと、依頼してから申請までの日程が読みやすくなります。

設立後の税務では、消費税や役員報酬など、1期目に決めることが多くあります。税理士をいつ、どう選ぶかは、会社設立と起業時の税理士の選び方、創業期に失敗しない見極めの基準で詳しく説明しています。

任せる場合も、社長が全体の手順を把握していると、依頼先との打合せが短く済みます。会社設立を始める前に、どの書類を誰が作るかを決めておくと、流れが途中で止まりません。

自分で進める場合は、書類ごとに提出先と期限を書き出し、終わったものから消していきます。費用の内訳や、株式会社と合同会社で費用がどう違うかは、次に読む記事で比べます。

依頼する場合も、提出の期限を守る責任は会社が負います。依頼先との間で、誰がどの期限までに何を出すかを書面で確かめておくと安心です。

よくある質問

会社設立で時間がかかりやすいのはどこですか?

決める内容が固まるまでと、相手の確認待ちです。案文が固まらないと認証も払込みも始められず、認証や申請の後は公証人や法務局の確認を待つことになります。

合同会社でも定款の認証は必要ですか?

合同会社には認証の定めがありません。社員になろうとする人が作成すれば、出資と申請に進めます。

設立日を好きな日にできますか?

設立の登記をした日が設立日になります。特定の日を設立日にするには、その日に法務局が受け付けるよう、窓口の開庁日や郵送の到着日を考えて申請します。

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株式会社タックスコム 代表取締役 山下健一

執筆|株式会社タックスコム 代表取締役

山下 健一

日本で唯一、税理士業界を3方向(お客様の声、帳簿の中身、事務所の内情)から見てきた税理士コンシェルジュ

税理士紹介を20年。税理士を探す社長の声を、今も聞き続けています。帳簿の中身は経理の代行で、事務所の内情は1,600名以上の所長面談で見てきました。税理士でも会計士でもない第三者だから話せる裏側を、お伝えします。

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