青色申告の承認申請、法人設立後の期限と出し忘れた1期目

法人が設立後に青色申告の承認申請を出す期限は、設立から3か月後の前日か、最初の決算日の前日の、早いほうまでで、欠損金の繰越にも関わります。
| 出すもの | 期限 | 提出先 |
|---|---|---|
| 青色申告の承認申請書(設立第1期から青色にするとき) | 設立の日以後3か月を経過した日と、設立第1期の事業年度終了の日のうち、いずれか早い日の前日まで(設立から3か月後の前日か、最初の決算日の前日の、早いほう) | 納税地の所轄税務署長 |
| 青色申告の承認申請書(設立第1期が3か月に満たない会社が第2期から青色にするとき) | 設立の日以後3か月を経過した日と、第2期の事業年度終了の日のうち、いずれか早い日の前日まで(設立から3か月後の前日か、第2期の決算日の前日の、早いほう) | 納税地の所轄税務署長 |
| 青色申告の承認申請書(それ以外の事業年度から青色にするとき) | 青色申告で申告する事業年度開始の日の前日まで | 納税地の所轄税務署長 |
青色申告の承認を受けていない法人は、白色申告書で申告します。設立して半年の会社は、申請書をまだ出していなければ1期目の期限を過ぎていますが、2期目から青色にする申請は、2期目の開始日の前日まで出せます。
期限の数え方と日付の例、期限を過ぎたときに間に合う申請の時期、承認がないまま申告する法人との違い、繰越との関係、申請書の出し方と承認の通知を、順に整理します。
最初の事業年度が3か月に満たない会社のように、期限の式が変わる会社の扱いにも触れます。数値は国税庁の公式ページで確かめた内容にもとづき、冒頭の表に期限と提出先をまとめました。
数値の確認日:2026年11月3日(国税庁の公式ページで確認)
青色申告の承認申請とは
青色申告の承認申請とは、法人が法人税の申告を青色申告書で行うために、税務署長の承認を求める手続きです。承認を受けた法人は、確定申告書と中間申告書を青色申告書で出します。
法人税の申告は、事業年度の終了後に行います。青色申告書で出すには、申告の時点ではなく、事業年度ごとの期限までに承認申請書を提出しておく必要があります。承認の通知は、提出の後に届きます。
法人が設立後に青色申告を始めるには、期限までに承認申請書を税務署へ出します。様式は、国税庁の税務手続の案内から取得できます。
承認を受けていない法人の申告は、白色申告書で行います。ここでは、承認がない状態の申告を白色と呼びます。
青色申告の承認申請書は、法人設立届出書とは別の書類です。国税庁は、法人設立届出書を提出しなければならない書類、承認申請書を必要に応じて提出する書類に分けています。
申請書では、青色申告書で申告を始める事業年度を示します。提出先は、会社の納税地を管轄する税務署長です。社長1人の会社でも、手続きは同じです。
法人の承認申請書は、社長個人の所得税の青色申告の手続きとは別です。申請書を出したかどうかは、申請書の写しや、e-Taxで送信した記録で確かめます。税理士に頼んでいる会社は、担当者にも確かめます。
設立して半年たつ会社では、法人税の申告はまだ先でも、承認申請の期限は先に来ます。青色申告の承認申請には、設立した法人が守る期限があります。期限は承認申請書を提出する期限で、承認の通知は後から届きます。
青色申告の承認申請を法人が設立後に出す期限はいつまでか
設立した法人が青色申告の承認申請を出す期限は、設立の日以後3か月を経過した日と最初の決算日のうち、早い日の前日までです。早いほうの日が基準になるため、最初の事業年度の長さで期限が変わります。
最初の事業年度が3か月以上ある会社では、3か月を経過した日のほうが先に来ます。最初の事業年度が3か月に満たない会社では、決算日のほうが先に来ます。社長1人の会社でも、期限の式は同じです。
期限が土曜日や日曜日、祝日などの休日に当たるときは、休日明けの日が提出期限になります。設立後の法人が出す青色申告の承認申請の期限も、同じ扱いです。
式に出てくる日付は、会社ごとに決まります。設立の日は登記の記録で、決算日は会社が定めた事業年度で確かめます。設立の日は、会社を作る手続きを始めた日ではなく、設立登記をした日です。
設立後に出す届出のうち、法人設立届出書は設立の日から2か月以内に出します。決算日が設立から3か月以上先の会社では、承認申請より先に設立の届出の期限が来るため、設立の届出を出すときに承認申請書も用意しておくと、出し忘れを防げます。
国税庁の一覧では、法人設立ワンストップサービスの国税関連手続に、青色申告の承認申請が含まれています。e-Taxの受付時間外に出すと翌稼働日の提出になるため、期限の日は時間にも注意します。
設立して半年の会社は、設立から3か月を経過した日をすでに過ぎています。承認申請書をまだ出していなければ、設立第1期の期限は過ぎています。決算日がまだ先なら、2期目から青色にする申請には時間があります。
設立第1期目から青色申告の承認を受けようとする場合の提出期限(注)は、設立の日以後3か月を経過した日と設立第1期の事業年度終了の日とのうちいずれか早い日の前日までです。
出典:国税庁「No.5100 新設法人の届出書類」(2026年11月時点)
法人の設立日から数える青色申告の承認申請の期限と日付の例
期限の数え方は、設立の日から3か月を経過した日を求め、最初の決算日と比べて、早いほうの前日を期限とする順です。日付を入れて確かめると、最初の事業年度の長さによって、基準になる日が変わることが分かります。
設立の日が2026年4月15日、決算日が2027年3月31日の法人が青色申告の承認申請を出す期限は、2026年7月14日です。4月15日から3か月を経過した日は7月15日で、決算日の3月31日より早いためです。
設立して半年の会社の例です。設立の日が2026年5月10日、決算日が2027年3月31日なら、3か月を経過した日は2026年8月10日で、期限は前日の8月9日です。月の途中で設立した会社でも、同じ式で数えます。
8月9日の期限は、すでに過ぎています。2期目は2027年4月1日に始まるため、2期目から青色にする申請は、2027年3月31日までに出します。
設立の日が2026年2月20日、決算日が3月31日の会社は、設立第1期が約1か月で、3か月に満たない例です。第2期は2026年4月1日から2027年3月31日までで、3か月を経過した日は5月20日のため、第2期の期限は5月19日です。
最初の事業年度が3か月を超える会社は、期限が設立から3か月後の前日になります。日付の例と同じ式を使うと、設立して半年の法人も、青色申告の承認申請の期限を自分で計算できます。
決算日が設立から3か月以内に来る会社は、決算日の前日が期限です。基準になる日が設立後すぐに来るため、設立の手続きと並行して申請書を用意します。設立の日、決算日、3か月を経過した日を書き出して比べると、数え間違いを防げます。
- 設立の日(設立登記の日)を確かめる
- 設立の日から3か月を経過した日を求める
- 最初の決算日と比べ、早いほうの日を選ぶ
- 選んだ日の前日を期限として承認申請書を出す
1期目の期限を過ぎたときに間に合う申請の時期

1期目の期限を過ぎた法人は、2期目から青色にするための申請を、2期目の開始日の前日までに出します。承認がない1期目の申告は、白色申告書で行います。
設立から半年の法人が青色申告の承認申請に間に合う期限は、通常は2期目の開始日の前日です。2期目から青色にする申請の期限は、青色申告で申告する事業年度の開始日の前日と定められています。
2期目から青色申告を使えば、2期目に赤字が出ても、要件を満たす限り繰越控除の対象になります。1期目の赤字は、白色のままのため対象外です。
出し忘れに気づいた会社が進める順番は、設立の日と決算日から2期目の開始日を確かめ、その前日までに承認申請書を出し、最初の申告を済ませる流れです。順番を入れ替えず、期限が先に来るものから出します。
設立第1期の期限までに承認申請を出せなかった設立後の法人も、2期目から青色申告を使う申請なら、2期目の期限内に出せます。2期目の開始日を過ぎると、その申請は3期目から青色にするためのものになります。
設立第1期が3か月に満たない法人の2期目には、別の期限が設けられています。設立の日以後3か月を経過した日と2期目の決算日のうち、早い日の前日までです。
法人税法第122条は、申請書を提出する期限として、事業年度開始の日の前日などを定めています。期限を過ぎて出した申請書を、その事業年度の承認として扱う定めは、確認できませんでした。
今期の扱いは、納税地の税務署か顧問の税理士に確かめます。2期目から青色にする申請は、確認と並行して、2期目の期限内に出します。
白色申告の法人と青色申告の法人の違い
白色で申告する法人が青色申告の法人と異なる主な点は、承認の手続きの有無と、欠損金の繰越控除の対象です。
白色で申告する法人は、承認申請書を出す必要がありません。承認を受けていないため、確定申告書は白色申告書になります。
青色申告の法人は、承認を受けたうえで、青色申告書で確定申告書を出します。欠損金の繰越控除を受けるには、一定の帳簿書類を保存している必要もあります。
設立した法人が青色申告の承認申請を期限内に出すと、承認を受けた事業年度から、欠損金の繰越控除の対象になります。欠損金が生じた事業年度の申告書が白色か青色かで、繰越控除を使えるかが決まります。
承認がなくても、確定申告書を出す義務は変わりません。違いが出るのは、申告書の様式と、承認の有無で決まる取り扱いです。
白色申告書で出した事業年度の欠損金は、後から青色に切り替えても、この繰越控除の対象に含まれません。切り替えた事業年度以降に生じた欠損金から、繰越控除の対象になります。青色申告の承認申請の期限を逃した設立後の法人は、その事業年度の承認が受けられるかを税務署に確かめ、受けられなければ白色で申告します。
青色にするかどうかの判断材料は、赤字の見込み、記帳を続けられる体制、申請の手間です。記帳が月ごとにできていない会社は、先に記帳の体制を整えます。
2期目から青色申告にする法人は、承認申請の期限を、設立の日から数える式で確かめておきます。期限は事業年度ごとに決まるため、3期目から切り替える場合も、同じ式で確かめます。
| 項目 | 青色申告の法人 | 白色で申告する法人 |
|---|---|---|
| 承認申請書 | 期限までに税務署長へ出す | 出す必要がない |
| 確定申告書の様式 | 青色申告書 | 白色申告書 |
| 欠損金の繰越控除 | 青色申告書を出した事業年度に生じた欠損金が対象 | 白色の事業年度に生じた欠損金は、この繰越控除の対象に含まれない |
※欠損金の繰越控除の行は、国税庁「No.5762 青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除」の記載から導いています。
承認の有無が、申告書の様式と、繰越控除の対象になる事業年度を分けます。
欠損金の繰越控除が使える事業年度

欠損金は、法人税の所得の計算で生じた赤字の金額で、繰越控除の対象になるのは青色申告書を提出した事業年度の分です。繰越控除では、過去の欠損金額が、各事業年度の所得金額の計算上、損金の額に算入されます。
設立後の法人が欠損金の繰越控除を使うには、青色申告の承認申請を期限内に出しておく必要があります。そのため、設立第1期に承認がなく白色で出した会社は、その期に赤字が出ても、その欠損金は、この繰越控除の対象になりません。
国税庁は、開始日前10年以内に開始した事業年度の欠損金額を損金の額に算入できるとし、対象を青色申告書の提出年度に絞っています。
設立して2期目から青色申告を始める法人は、承認申請を期限内に出せば、2期目に生じた欠損金から繰り越せます。2期目に赤字が出て3期目に黒字が出る会社なら、3期目の所得から2期目の欠損金を差し引けます。
逆に、1期目に青色申告を使えた会社は、2期目以降に白色で出しても、1期目の欠損金を繰越控除の対象にできます。ただし、その後の事業年度で確定申告書を連続して出し、一定の帳簿書類を保存していることが条件です。
1期目に赤字が出そうな設立後の法人ほど、青色申告の承認申請の期限を守る意味が大きくなります。赤字の見込みが小さくても、承認の有無で繰越控除の対象は変わります。
欠損金の繰越控除の限度額など、一般的な仕組みは扱いません。個別の金額の判断は、税務署や税理士に確かめます。
欠損金額が生じた事業年度において青色申告書である確定申告書を提出していれば、その後の事業年度について提出した確定申告書が白色申告書であっても、その欠損金額についてはこの繰越控除の規定の対象となります。
出典:国税庁「No.5762 青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除」(2026年11月時点)
承認申請書の出し方と承認の通知

承認申請書の出し方は、e-Taxで作成して提出するか、書面を税務署へ持参または送付するかのどちらかです。e-Taxを初めて使う法人は、利用者識別番号を取得します。
申請書の参考事項欄には、帳簿書類の種類や形態、記帳の時期を書きます。例として、毎日、1週間ごと、10日ごとが示されています。税理士が関与している場合は、その関与の度合いも書きます。
令和8年(2026年)10月1日以後に出す申請書は、承認を受けようとする事業年度終了の日の欄など、一部の記載が不要です。様式は、国税庁の案内で最新のものを確かめます。
申請書を出した後は、税務署が承認または却下の処分をします。承認の通知が届いたら、承認を受けた事業年度と通知の日付を、帳簿書類と一緒に保管します。
設立した法人の青色申告は、承認申請を期限までに出していれば、通知が届かないまま事業年度の終了の日を迎えても、その日に承認されたものとみなされます。承認も却下もなかったときに限る扱いです。
中間申告書を出す法人では、事業年度開始の日以後6か月を経過する日が、みなし承認の基準です。基準の日までに承認も却下もないかは、通知の有無で確かめます。
承認されたかどうかが分からないときは、納税地の税務署に問い合わせて確かめます。設立後の法人は、期限の確認、2期目に向けた申請、承認の確認の順に進めると、青色申告の承認申請を出し忘れずに済みます。
税務署に出す届出の全体と、消費税の届出を出すかどうかの判断は、「会社設立後に税務署へ出す届出5種類の期限と、消費税の届出を出すかの判断」で続けて確かめられます。
よくある質問
設立から半年たっても、青色申告の承認申請は間に合いますか?
出していなければ、1期目の期限は過ぎています。2期目から青色にするなら、2期目の開始日の前日までに申請書を出します。
1期目が赤字だったとき、白色でも繰り越せますか?
白色だった事業年度の赤字は、この繰越控除の対象になりません。青色申告書を出した年度に生じた分だけが対象です。
承認の通知が来ないときは、青色申告を使えませんか?
承認も却下もなければ、承認されたものとみなされます。基準の日は、事業年度の終了の日で、中間申告書を出す法人は開始から6か月を経過する日です。
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