KTAX 大久保雅史氏 Vol.1 若手起業家の集客術、起業から3年以内に一度は経験すること
この記事は2008年に掲載した起業家インタビューです。制度や数値は掲載当時のものです。最新の手続きは各カテゴリーの記事をご覧ください。
ゲスト:KTAX株式会社 代表取締役/大久保雅史(おおくぼ まさふみ)
サービス業界出身というまったくの会計素人からスタートし、3年でクライアント数350社以上、今では受注をとめるまでに急成長。会計事務所に対する新規顧客獲得セミナーを開催するなど、業界に新しい風をもたらす若手起業家。
今回は、若くして会計業界にネットをいち早く取り入れることで、起業3年にして今では受注を断るまでにお客さんが殺到するようになった、経理アウトソーシング会社の大久保社長に、その集客成功の秘訣と、300社以上のクライアントから見えてきた!儲かる会社・失敗する会社の違いと、昨今のM&A事情と対策についてお伺いしました。
1.起業家だけが知っている、立ち上げ当初の苦悩
山下:大久保社長は何がきっかけで、今の会計業界に飛び込んだのか聞かせて頂いていいですか?
大久保:私が会計の業界に入った経緯としては、今世の中にはどういう流れがきており、ビジネスの表と裏もわかる、そして何が儲かっているのか分かるのは会計事務所しかないと考えたのが飛び込んだ理由です。
山下:なるほど!では、今の会社(KTAX)を立ち上げて、どれぐらいになるんですか?
大久保:約3年ですね。丁稚奉公の末、一通り覚えてからは、クライアントにさらに会計の突っ込んだコンサルティングを提供するため、今提携しているアークス会計事務所に協力してもらいながら、今の会社(KTAX)を立ち上げました。
山下:丁稚奉公時代というのは大変でしたか?
大久保:はい、ひどいもんでした。朝7時から夜1時まで。タクシー代自腹で手取り12万でした。徹夜は当たり前で、4日徹夜したこともありました。
山下:なるほど。4日徹夜ですか!?壮絶ですね・・・。
大久保:そしてあることに気づきました。
山下:というと?
大久保:この会計事務所というのは聖職者なんです。学校の先生や、お医者さんと同様に見られています。お医者さんが勧める薬は、お客様はほとんどの確率で服用します。
山下:そうですね。お医者さんに処方された薬を断る人はほとんどいませんね。
大久保:実際に私たちがクライアントとやりとりしていても、同様な信頼関係が築かれていけることを感じています。
山下:なるほど。それは私もよく感じます。
2.断ってもお客が殺到してしまう!?
山下:御社は、今どれくらいのクライアント数がいらっしゃるんですか?
大久保:今は、約300社ですね。2006年度末から意図的に受注制限しています。
山下:それはまたどうしてですか?
大久保:会計という高い知識と経験を必要とする仕事なので、集客よりも従業員の育成が難しいのが正直なところなんです。ですから、当社では高いクオリティー維持のためにも、一旦お客さまからの申し込みを制限させていただいて社内強化に力を注いでいるんです。
よく、同業種の方々から弊社の営業力を評価していただいているのですが、ご契約をいただくのに、それほど特殊なことをしている訳ではなく、会計業務もあくまでサービス業の一つであると考え、営業活動を行っています。そもそも会計業界というのは集客・営業をやらなくてもよかった特殊な業界なんです。また、税理士になろうとする人は、一般企業での社会経験がない方が多く、営業マンだった人は非常に少ないんです。営業が苦手だからこそ、会計業界を選んでいるという側面もありますし。
山下:なるほど。しかし、サービスの質を保つために受注をストップするというのは、言うのは簡単ですがそれを実行するのは本当に凄いことだと私は思います。
大久保:立ち上げ当初は、私ともう一人の役員で営業活動を中心に動いていたんですが、同じことをしているところが少なかったので、多いときで月25件の問い合わせから20件の制約という状態でした。
山下:凄い制約率ですね。問い合わせというのはネットからですか?それともテレアポなどですか?
大久保:ネットがほとんどです。立ち上げ当初は、ネットから集客している会計事務所もほとんどいなかったので、これはチャンスだと思ったんです。
山下:なるほど。私も大久保社長とまったく同じことを考え、一番初めに会計記帳会社に入社しました。客観的な視点から見ていると、理想の社長像や成功する事業モデルなど、いろんなことが見えてきますよね。現在御社がコンサルティングしている300社のクライアントの中で、伸びている会社は他と何が違うと思われますか?
大久保:やはり伸びている会社は、新しいことを取り入れていこうという姿勢が見られますね。あとは、成功している会社の社長は、仕事を人に任せるのが非常にうまいと感じます。
山下:具体的な例などありますか?
大久保:そうですね。たとえば、インターネットもその一つだと思います。これだけインターネットが発達してきたといっても、まだまだインターネットが普及していない業種がほとんどです。
山下:なるほど。
大久保:そのインターネットが普及していない業界でインターネットを取り入れることで、他社と差別化して短期間で圧倒的な成長をとげているところがあります。さらに具体的な例でいえば、美容師や弁護士などがあげられます。この業界はもともとネットに弱い業界だったんです。その中で、起業して3年ちょっとの若手社長がネットからの集客を築いたことで、大きな成功を手に入れています。
山下:なるほど~。やはり常に新たなことに挑戦し、取り入れていく姿勢こそが、企業が成長するポイントの一つなんですね。そういう御社にも同様のことが言えますね。
