~ 勝てるビジネスモデルと売れる仕組みの作り方 ~

<ゲストプロフィール>

日本経営教育研究所
代表取締役/石原 明(いしはら あきら)

ヤマハ発動機(株)を経て、外資系教育会社に入社。セールス部門で日本1位、世界2位の実績を収める。
1995年、日本経営教育研究所を設立。
メールマガジンとホームページを連動させたマーケティングを確立、WEBを使ったマーケティングの草分け的な存在となる。出版した 「営業マンは断ることを覚えなさい」はアマゾン2週間トップ。

VOL.2
勝てるビジネスモデルと王道マーケティング


 

今回は、Webマーケティングの草分け的な存在である石原明先生に、左脳型商品と右脳型商品の売り方の違い、不況時代にも通用する最強のマーケ ティングノウハウについてお伺いしました。

1.左脳型商品と右脳型商品の売り方の違い

 

山下:人って、マイナスを解消したい方と、もっとプラスになりたい方がいると思うんですがアプローチの仕方に違いはありますか?

石原先生:左脳系の商品と、右脳系の商品とあって、左脳系の商品は、コストはこれくらい、強度はこれくらいで、他よりも勝っていたら買います。右脳系の商品は、モノそのものでは価値がないと考えるんです。この財布は本当はすごいんだぞ、と言ったって、財布を見ただけではわかりません。プラス情報で買います。その情報をどうやって付加価値として見せるかがポイントです。

山下:具体例などありますか?

石原先生:今ネットショップのフライパン屋さんのコンサルをやっているんですが、フライパンて今、800円でも買えます。それを2万円で売っていたんですけど、今6万円とか8万円とかまで値上げして売っています。2万円のフライパンを買う時点で、そのユーザーは普通のものを買いたくないってことです。家にフライパンが100個あったらおかしい。だったら、価値のある1個があった方がいい。それはどういう考えかというと、フライパンを買うのではなくて、フライパンを買っている自分を買っている、ということです。それが楽しいか楽しくないか、ってこと。

山下:こだわりの一品なわけですね。

石原先生:そう。もともとベースは他の会社が作っていて、それをさらに毎日ガンガン打って手作りするから、オリジナルと言ってもいい商品です。それを作っていると20個に1個くらい凄いフライパンができるんだそうです。それを同じ値段の2万で売ると言うから間違ってる!6万円!と言いました。

山下:その2万円と6万円のフライパンは何が違うんでしょうか?

石原先生:手作りだから、持った感じとか、しっくり感、火の通りかたが違うらしいんですよ。だからそれは、特別なモノとして売ればいいと思いました。メールだけじゃなくて、電話で「ネットには出してないんですけど、実は6万円のフライパンがあるんですよ、いかがですか?」と伝えると8割の方が買います。

これはどういうことかというと、お客さんからみたら「この人は自分のことをわかってくれる。そうなのよ、わたしはその辺のフライパンは嫌なのよ」という心理が働いています。だから右脳でモノを売る時は、「わかってくれた」というところにいかに持っていくか、ということです。そうなるとお客さんはたくさん話し出す。そういう状態をつくれば、今度は高ければ高いほど売れるようになります。
最初2万円で売ることに抵抗していた社長が、6万円で売れた瞬間に、過去何年間かをふりかえってどれだけ損をしたかって言って、今はやる気になっています。

山下:差別化できていて、いいですね!

石原先生:そう。その方が口コミされるし、愛着もあって、メンテナンスもしてくれるからいいですよ。安いものを売っているのは価値がない。

山下:こだわりのものをわかってくれて、買ってくれるというのは提供している側としても楽しいですよね。

石原先生:今、景気が悪いですから、景気が悪いと三角形の真中に空洞ができます。そうなると全員下にいきます。しかし、上に行った人だけが独り勝ちします。これがブルーオーシャンです。

山下:なるほど。でも上にいくってこわいですよね?

石原先生:こわいですよね。自分がやったことのあることより、1mm上って、見えないからこわくてしょうがない。売りにいくからダメなんです。会いにいけばいいんです。「すみません、僕はこういう仕事をしているんですけど、ちょっと高いものをちゃんとした人に売りたいんですが、相談にのってください」って言ったら会ってくれます。

山下:なるほど。まず売ることではなく、会って話を聞くことを考えるんですね。

石原先生:はい。お金持ちの人は、これからお金を使いますよ。景気が悪い時は、みんながお金を持ってないから、お金の価値が3倍とか10倍とかになっています。今は不景気だから、お金持ちはさあ使うぞってなるんだけど、サービスする相手がいない。僕はビジネス的には絶対下には行きません。面倒くさいし細かいものをたくさんの人に売ったら、人間がたくさんいるし、トラブルも増えます。あるところを超えたらみんなクレーム世界になります。少人数に厚いフォローをして、儲かって楽しいんだったら、そっちの方がいいに決まってます。

2.不況時代に勝てるビジネスモデルとは!?

山下:ビジネスモデルを構築する際のポイントを教えてください。

石原先生:集客が上手くいっていない方のほとんどは、顧客が自分の会社をどうみているかが意識できないんですよ。
マーケットには「顧客」と「自分」と「ライバル」がいます。このライバルがいるということが全然見えていません。

自分の会社も含め、ライバル会社を横一列に並べ、顧客の目線に立ってあなたならどこへいく?って聞いたときに「自分ならライバルを選んでる」となるなら、それはライバルに負けてるということです。エッジもたっていなければ特色もないということです。

起業当初は、顧客の側から考えどうして自分が選ばれるか?ということを考えたらビジネスモデルはつくりやすくなります。他社にいっている中の何%が自分にきてもらうというイメージで考えれば、やりやすいと思います。
自分を選んでくれる理由が見つかれば、情報を出しながら、それに興味をもってくれる人をだんだん集めてくるというマーケティングのロジックもつくりやすくなります。

山下:自社に多少なりとも強みがないとエッジが立てられないと思うのですが、何もない場合はどうしたらいいでしょうか?

石原先生:個人が目立てばいいと思います。僕のとても好きな言葉があります。ウッディ・アレンの本に「目立てば8割成功」と書いてありました。小さな会社で特徴がなかったら、服に特色を持たせたり、髪に特色持たせたり、それで1mm勝ったら、そこにいろんな仕事が来るから蓄積されて伸びていきます。

山下:なるほど。他にはありますか?

石原先生:世の中で勝ってる会社はどうやって勝ってるんだろうということを分析しながら、そのビジネスモデルのストックを1個自分が身につけていくことが重要です。
そうすると次何かしようかなというときに、「このモデル同士をくっつければできるな」というアイデアが出てくるようになります。そうは言っても最初はわからないので、顧客側からみてそのマーケットの中で自社をどのように見せて行けばいいかを考えればいいと思います。

山下:具体的なノウハウなどありますか?

石原先生:うちの会社がもう12年やっている高収益3%倶楽部があります。そこでは、ビジネスモデルやマーケティングを本当は勉強しなくちゃいけないのに、創業したときはほぼ手をつけられていない方のために、発想やアイデアを教えています。年会員制で65,000円でやってます。

山下:既に3500社以上が参加されているんですよね。12年の実績は凄いです。特別に、ここを読んでいる方のために中身を教えて頂きたいのですが?

石原先生:みなさん集客というと難しく考えているように思います。BtoC、BtoB、特にBtoCだと結構たくさんのお客さんがつかなくてはいけないけれど、創業だったら月の売り上げはそんなに多くなくてもいい。だったら、名刺交換したら集客ですよね。僕は講演会で、今日名刺交換してくれたら、僕がリアルに会った人にしか出していないメールマガジンを送ります。そしたら毎回40枚くらい名刺交換できます。僕は講演会に呼んでもらって、その場で集客して帰ってくるんです。

山下:それは先生のブランドと信頼性があるからだと思うんですが。

石原先生:集客というのは、相手に来てもらうか自分が行くかです。自分のターゲットとするお客さんがいるところに行って、おもしろそうな人と名刺を交換するのは難しいことではありません。名刺というのはリストですから、それに対して4ステップのマーケティングを行い、必要な情報を送っていけば見込み客を育成することになります。育成していく中で何人か買ってくれれば、もうマーケティングが動き始めます。これで顧客化するということが起れば収益があがります。あがった収益で、集客の方法にお金をかければいい。

みんな4ステップ「集客」「見込み客のフォロー」「販売」「顧客化」というのをつくっておかないで、いきなり集客に何百万もお金をかけるからおかしくなるんです。たとえば情報を出すにも、本当にそれが喜ばれている情報かどうかすごく重要です。1万人につまらない情報を出したって怒られるだけだから、少ない人数のところで確認していくというやり方をとります。

山下:先生がよくおっしゃっている「どこまでの情報を出すか」についてお伺いしたいのですが、見込み客リストに対しては、喜ばれるならば情報は全て出してしまうんですか?

石原先生:8割ぐらい出しますね。これは本邦初公開なんですけど、4ステップのマーケティングには返報性の法則を使っています。どこまで出すかというのは、お客さんの方に、「申し訳ないな、こんなところまでしてくれるなんて、なんて親身なんだろう」と思ってくれるまで情報を出した方がいい。それが4割で感じさせられるのなら、4割でいいんです。ただ僕の場合は7,8割出しちゃいます。

山下:気前がいいですね。

石原先生:そう。僕の仕事はそこからビジネスモデルがつくってあって、試してもらって、いいなと思った人がわかった上で来てくれるので、作業効率がいいし、コンサルのフィーを値引きしようとしないです。言い値で受けてくれます。だからうちのスタッフが入っていったときに、トラブルが起こらないようにしておかないといけない。こちらのことが大好きという感じになっていかないと難しい。ここにプラットホームがあって、いろんな専門家を紹介するときに、仕事しやすい環境だったら、喜んでやってくれるけど、うちが紹介するところがトラブルばっかりだったら来ないでしょう?

山下:そうですね。紹介って気を遣いますね。

石原先生:うちの会社から、コンサルとして独立して、自分でお客を集めなきゃならなくなった瞬間に世間てこんなに大変なんだと知るんですよ。びびって戻ってくる人もいます。ただ、この人と合わないなと思ったとたんに手を離します。社長は個性が強いから、自分で考えた方がいいんじゃないですか?何かあったらお金はもらわないからアドバイスするので大丈夫ですよ、と言うと上手に離れられます。

3.不況時代でも通用する王道マーケティングノウハウ

山下:不況時代でも通用する集客のコツを教えてください。

石原先生:みんな難しく考えすぎだと思います。「モノを売る」というのは、基本的には人が人に対して何らかの方法をつかって情報を相手に入れることです。BtoBでもBtoCでもそれは一緒です。

営業が直接顧客のところに行くなら、情報をコップの中にあふれさせればOKなんですけど、営業が行かないならマーケティングです。マーケティングはこちらをむ向いてもらわなくちゃいけないので、それがファーストインプレッションみたいなもので、冊子を渡すとか、動画をみせるとか、まとまった情報を出さなくちゃいけません。適切な情報を出していけば、相手のコップは水がたまっていきます。あふれたらOK。

この作業を1人に対してやっていたら大変ですが、マーケティングのいいところは人数に制限がないということです。

例えば1日3人名刺交換したら、一月で90人ですよね。1年間で1000人、3年で3000人です。全員に対してマーケティングを行っていけば成功しないビジネスはないですよ。

この間もあるセミナーで言ったんですが、マーケティングというのは、お金をつかうか時間をかけるかなんです。僕はマーケティングに一切お金をかけない代わりに時間をかけています。僕は後ろ側がコンサルなので、ものすごい数の顧客が来ても困っちゃうんですけど、2000万円もドカンとかけなくても、1日3人て決めて、営業日25日だったら結構な数になります。

情報を出しながら、人がちゃんとこっちを向いてくれて顧客になってくれたら、これで成立です。4ステップマーケティングの「見込み客フォロー」のところがエンジンなんです。ここが機能しちゃえば、あとは増やすだけです。儲かったな、と思ったら公告を出すか、とかを考えていけばいいんです。

マーケティングのいいところは、人が行ったら1個1個コップをいっぱいにしなくちゃいけないんだけど、10個、100個、1000個コップがあったら、メールマガジンを1つ書いて送ってしまえばいい。1000個送ったら、だいたい何個かはとれますよね。

山下:メールマガジンの例が出ましたが、みなさん先生のように文章に落とし込むという力を持ち合わせていないかなと思うんですが…。

石原先生:リアル営業をやっていないからだと思います。

山下:リアル営業が得意でも、文章が書けない方ってたまにいませんか?

石原先生:話す速度と書く速度が違うからです。手から出すか、口から出すかの違いです。手から出すときは、ゆっくり考えていくんです。

山下:なるほど。

石原先生:そこのピントを合わせるんです。僕も文章を書くのはあまり好きじゃありません。

山下:そうなんですか?

石原先生:いやですよ、面倒くさい。書かないでいいんだったら、いいに決まってる。僕は最近Podcastをやってるから、楽で仕方ない。幸せなコンテンツだと思ってます。でも、チューニングの仕方で、話して人を動かせるのに、文章が書けないわけがない。人の心理をコントロールできるんだから。話すときよりゆっくりアウトプットすることがポイントです。

山下:先生が提唱する4ステップマーケティングについて、教えてください。

石原先生:4ステップマーケティングって最強で、あれにかわるものはないですよ。この間、アメリカで最先端のWeb集客の方法が公開されたんですが、完璧に4ステップマーケティングなんですよ。集客しておいて、ステップメールで、さあ買いなさいってアプローチしていくんです。

山下:あと、キャッチコピーもすごいなと思ったんですけど。営業もできてマーケティングもできて文章もかけて…

石原先生:本のタイトルは自分で考えましたからね。僕に口出ししないでくれるなら本を出してあげると言ったら10社くらい来ましたけど、そのうちの1社が飛鳥出版だったんです。

山下:あのときは衝撃でしたね。営業マンやってたので、なんだこれ、って。

石原先生:あの本って仕掛けがあって、分かっている人は「ほら、そうだ!」ってなります。分からない人は「え、なんで?」って両方に刺激が起きるから、論争になったんですよね。

山下:うちも、信頼関係を構築できない税理士や経営者は紹介をお断りしています。

石原先生:僕のところにきた高収益3%倶楽部の会員さんで、マッサージで成功した人がいます。
勇気をふりしぼって見られないお客さんを断ったそうです。初めは赤字になったけど、来る人来る人みんないい人ばっかりで売上なんか倍になりました。

山下:ほんとに、「営業マンは断ることを覚えなさい」は本質的なことを書いた書籍だと思いました。

石原先生:結構深く書いていて「このお客はいいからやめろ」って言うのは社長しかいない。
朝社員が会社に来て、「あそこに行かなくちゃ」ってなるとへこむ。逆に「あそこに行ける」ってなったら、楽しい。そこをコントロールするのは社長です。目先ばかり見ないで長期で見たときに、どういう会社の体質を作りたいのかを分からせる。感度のいい人だけ分かり、分かった順番に私のところに来るようになります。

山下:うちもまさに同じですね。

石原先生:石原先生:税理士さん全員と面談してるんだって?

山下:はい。面談をクリアして登録できるのは、10事務所に1事務所くらいです。

石原先生:すばらしいね。

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ゲスト:石原 明(いしはら あきら)
日本経営教育研究所 代表取締役

ヤマハ発動機(株)を経て、外資系教育会社に入社。セールス部門で日本1位、世界2位の実績を収める。
1995年、日本経営教育研究所を設立。
メールマガジンとホームページを連動させたマーケティングを確立、WEBを使ったマーケティングの草分け的な存在となる。「成功曲線を描こう」 「心を身軽にする80のインストラクション」「営業マンは断ることを覚えなさい」「気絶するほど儲かる絶対法則」などを出版。「営業マンは断ることを覚えなさい」はアマゾン2週間トップ。
12年運営する勉強会、高収益トップ3%倶楽部の参加者は3500社を超える。
2009年より、上場企業の経営経験がある講師が経営者の教育する経営次進塾を主催。
現在は上場企業を含む中小・中堅企業の経営者に対する経営指導を行う一方で、Facebookやポッドキャストなどの新しいメディアを活用し幅広 い層のビジネスパーソンにも経営や管理、組織運営のノウハウを発信している。

※現在配信中のポッドキャスト「石原明の経営のヒント+(プラス)」
  1年間のダウンロードは、100万回を超える大人気コンテンツ

ナビゲーター:山下 健一(やました けんいち)
株式会社アトラル 代表取締役

国立大学卒業後、大手記帳代行会社(顧客数700社以上)に入社。新規顧客開拓及び月次フォローに従事。記帳代行トップセールス賞・社長賞を多数受賞。当時のクライアントに経営幹部として入社。
2006年、株式会社アトラル(旧リンカーン)を設立。年間100社以上の起業家輩出サイト「作ろう会社どっとこむ」の運営と共に、中立な立場から企業への税理士の紹介サービス「税理士紹介相談所」運営開始。

※年間面談件数、成立件数(1000件突破)、顧客満足度3年連続No.1を達成

制作提供:(株)アトラル 296会社.com (作ろう会社どっとこむ)事業部
(C)2012 Attral Co., LTd., All rights reserved.296会社.com

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