~ 勝てるビジネスモデルと売れる仕組みの作り方 ~

<ゲストプロフィール>

日本経営教育研究所
代表取締役/石原 明(いしはら あきら)

ヤマハ発動機(株)を経て、外資系教育会社に入社。セールス部門で日本1位、世界2位の実績を収める。
1995年、日本経営教育研究所を設立。
メールマガジンとホームページを連動させたマーケティングを確立、WEBを使ったマーケティングの草分け的な存在となる。出版した 「営業マンは断ることを覚えなさい」はアマゾン2週間トップ。

VOL.1
不況時代に起業を成功させる心得

勝てるビジネスモデルと売れる仕組みの発想法を学ぶ勉強会『高収益TOP3%倶楽部』主催者である石原明先生に、これから起業には集客と営業どち らを先にやった方がいいのか?不況時代にはまずやるべきこと、ダメなことをお伺いしました。

1.業界の最新情報が入ってくるネットワークの作り方

 

山下:石原先生の情報収集の仕方を教えてください。

石原先生:情報収集はひとりだと絶対無理。情報収集するためには、情報が集まっている人と仲良しになることです。仲良しになるためには、自分もある分野で専門的な情報をもっているスペシャリストになる必要があります。
私の場合は自分自身がハブになり、それぞれの分野のハブになっている人と、定期的に会っています。例えば、システムの分野では、今一番凄いのは彼だとか、インターネットの世界だったらこの人、デザインだったらこの人と、各分野で12~13人持っています。

山下:なるほど、すごいネットワークですね。

石原先生:約2ヶ月に1回程度の頻度で会って、お互い情報交換をしています。

山下:なるほど。

石原先生:情報化社会では、出した情報に対して興味を持った人を集める仕組みがあれば、営業をする必要がなくなります。

山下:そうですね。

石原先生:コンサルタント業を例にあげると、特定の分野に特化している人が多いと思いますが、それでは情報がすごく狭くなります。逆にその業界自体がなくなったらアウトです。私は最初から全業種の方がいいと考えていました。

1ヶ月コンサルすることで、僕のところにかなりの情報が入ってくるようになります。 その情報を上手に発信すると、またみんなが集まってきます。そういうローテーションを意識してやっています。 性格的にも飽きっぽいので、そのくらいがちょうど自分にあっていると思います(笑)

山下:なるほど。それは先生の長所というか、強みを活かせているということですか?

石原先生:僕の長所は、とにかく好奇心旺盛なところです。睡眠よりも食欲よりも好奇心が勝っています。驚く人もいますが、僕は夜中の2時でも面白い話があれば会いに行きます。
昨日も12:30まで打ち合わせでした。特別な人だけですが、僕のスケジュールは超朝早い・超おそい、は当たり前です。それで情報が集まってきます。

山下:なるほど。突き詰めてる方って、いくとこまでいってる人が多いな~って感じます。

石原先生:お互いに同じにおいを感じると「あなたもそうですか」ってことになり、すごく仲良しになります。それは非常に大事ですね。

2.石原流 成果を出すためのビジネススタンス

山下:仕事の時間配分で気をつけていることはありますか?

石原先生:僕は秘書とタッグ組んでタイムマネジメントしています。お互いの幸せのために、「僕が一番機嫌がいい状態を作ってね」と伝えています。作業的なものは秘書にふってます。 最近はメールも書きません。僕が言ったことをCCに入れて送ってくれと言えば、僕は移動しているだけでOKになります。そういう意味では、秘書と打ち合わせをかなり密にしています。

山下:重要なところだけに特化できるように、あとは全部切り離しているということですね?

石原先生:毎年「石原流手帳をつくってほしい」と言われるんですが、僕手帳を持ったことがないんです。 毎日秘書に「今日何をするんだっけ」と5回くらい確認するので、紙媒体で共有するスケジュール管理表を使っています。
手帳はめくらいないといけませんが、紙媒体だと一目でわかります。先のことはざっくり入れて、1か月くらい前になって詳細を決めていきます。営業をやっている時に思いついてから、ずっとこのスタイルを続けています。

山下:先生は営業の実績も残されていると思いますが、当初から今のように戦略的に考えて動いていらっしゃったんですか?

石原先生:はい。個人がもっている時間には限りがあります。一生懸命頑張ることは重要ですが、「何もしないでも成果をあげられるか」を考えていました。
いかに効率的にするかということを考えています。そのお陰で、僕は普通のコンサルの人の3倍くらいの会社の量を持っているんですよ。


山下:それでも回せてしまうんですか?

石原先生:そう。作業は一切受けていないし、資料も作りません(笑)
基本的には相手の会社に全部やってもらっています。指示だけして、結果に対して修正していきます。コンサルタントは、基本的に自分がものをやっちゃいけない人です。もし「うちで資料を作ります」と言ったら、相手の成長の機会を奪ってしまいます。

山下:一番大事な本質を発見し伝えるというのが、コンサルタントの仕事なんですね。

石原先生:そう思います。組織構築や組織運営は別ですが、ビジネスモデルやマーケティングはアイディアを1つ提案すると、会社側の作業はかなり増えます。私はビジネスモデルに対して出した一つのアイデアで、発生する業務のボリュームが分かります。4つも5つも言ったらパンクするので、一つずつやることを決めて、出た結果に対して修正を加えていく流れを取っています。

山下:先生がお伝えしたことを、クライアントが聞いてくれない時はありますか?

石原先生:成果があった人が来るような動線なので、わかっていない人はコンサルしません。これは作業効率をあげるためにも意識的にやっています。また、どういうタイプの人をお客にするかというと、どの業種でも大きさよりも積極性や面白さとかパフォーマンスをみて判断しています。できない人や話を聞いてくれない人をコンサルすることはほぼないんです。

山下:理想的な形ですね。

3.起業するなら集客・営業どちらが先?

山下:起業を考えるなら、集客と営業どちらの力を先につければいいでしょうか?

石原先生:黒字化するところまでは現場で営業して成果をあげる。営業を頑張りながらマーケティングをつくっていきます。マーケティングが営業を追い越していくような感じにすればいいですよね。そうやってビジネスモデルを考えたりマネジメントに取り組めるようになり、高いレベルで仕事ができる余裕をつくるといいと思います。

しかし、営業はその日のうちにやる気を出したら売れるかもしれないけれど、明日売れるかはわからない。マーケティングは、作るのはゆっくりだけど成果が上がり始めたら止まらなくなります。 自分が現場のスペシャリストだったら、売ることに対してもいいものを提供しているということで自信がつくし、それをベースにしてマーケティングに活かせます。

山下:起業直後は特に営業のことがわかっていないと苦労される方が多いということでしょうか?

石原先生:リアルな営業かWEBを自分でつくれるか、そのどっちかがないと多分成功できないと思います。営業もWeb集客も外注していると、お金がかかって大変だと思う。僕は起業家に会ったら、リアル営業かマーケティング(Web集客)のどっち側?って聞きます。僕はできれば両方やった方がいいと思います。

あるIT系の社長さんに、ウェイターの仕事を進めています。ウェイターで接客して、自分目当てにお客さんがリピートし始めたら、事業でも絶対成功します。まじめな話、やらせてみようと思っている社長がいます。

山下:先生は、世界No.2になった営業実績もあると思うのですが、営業で大事なポイントはズバリ何でしょうか?

石原先生:営業にむいているかむいていないかははっきりしています。コミュニケーション能力と主導権をとるという感覚の2つがポイントです。営業センスがあるってわかったら、そのセンスをもっと伸ばせばいい。主導権をとらないことには、絶対にお客さんをコントロールできないからその感覚はもった方がいいと思います。

4.不況時代に成功する事業、絶対やってはダメな事業

 

山下:この不況時代に起業を考えている方は、まず何を知っておくべきでしょうか?

石原先生:起業というのは、大きくわけて2通りあります。その仕事が大好きで起業するのが一つ目、マネジメントするという場合が二つ目です。

昔僕がヤマハ発動機にいた時に、僕が営業でオートバイ屋さんをお世話した時の話です。その中で一番成功した会社の社長は、オートバイに乗れなかったんです。ある時発見して、「社長、もしかしてオートバイ乗ったことないんですか?」と聞くと「当たり前!」と言われました。そういう人が自社ビル建てちゃうんです。

起業の仕方には2つあって、飲食店でラーメン屋さんやるんだったらダシの取り方から行くという方法があります。みなさんそっちに行きます。しかしマネジメントに特化して起業する場合、ダシを取れる人を雇えばいいという発想になります。僕はマネジメント側に行ったんです。どっちのタイプもいいんです。ただ自分がどっちのタイプなのかを考えた方がいいと思います。

山下:どのように見極めればいいのでしょうか?

石原先生:その仕事が大好きな場合は、会社の規模を大きくしないで、価値のある仕事をつくっていけばいいと思います。マネジメントをやるというんだったら、1個の業種にとらわれないでいくつものことにチャレンジするスタンスで自分の将来像を描いた方がいいかもしれませんね。

山下:業種は、その周辺の業種ですか?それとも、まったく違う業種ですか?

石原先生:マネジメントができれば、まったく関係のない業種でもいいと思います。ただ、基本的には技術を他のマーケットにもっていくか、今ある顧客に違うものを提供する方がリスクは小さいと思います。

山下:不況時代に向いている事業はあるのでしょうか?

石原先生:景気が悪い時というのは、みんな保守的になっているので、誰もやったことのないことをやるのはあまりおススメしません。だから景気が悪い時というのは、既にある業種でうまくいっていない業界がいいと思います。

5.理想の顧客を集めるための中小企業ブランド構築

 

石原先生:僕は社長に、どういう人をお客さんにしたいの?って聞くようにしています。実際は顧客名簿見せてもらうとバラバラなんです。つまり社長が出している情報と、紙媒体やWEB・営業が言っていることがバラバラでブランドになっていないんですよ。

山下:一貫性がない…。

石原先生:そうです。一貫性をもたせると、お客さんにしたい人しか来なくなるから、サービスはそこに合わせればいい。その方がぜんぜん楽なんです。

山下:僕も9年前に先生のCDと出会って、こういう世界があるんだとは思っていました。

石原先生:やった。役に立った。

山下:それがなかったら、現在のように会社を伸ばしたい経営者にターゲットを絞った税理士の紹介はできてなかったと思います、本当に。

石原先生:もうひとつは、全てにおいてデザインが生きてきます。成熟した世界はデザイン性の世界になります。PCにデザイン性を取り入れたから、独り歩きしてMacがIBMを引き離しちゃったとか、そういうことがみんなわかっていません。絶対デザイン感覚、おしゃれとか見栄えとか気持いいとか、考えなくちゃいけない。
大手ブランドの人事部長に、社員のモチベーションは何ですかと聞いたら、「この空間にいる自分が好き」って言ったんです。

 

──次回、Vol.2『勝てるビジネスモデルと王道マーケティング』へ続く

ゲスト:石原 明(いしはら あきら)
日本経営教育研究所 代表取締役

ヤマハ発動機(株)を経て、外資系教育会社に入社。セールス部門で日本1位、世界2位の実績を収める。
1995年、日本経営教育研究所を設立。
メールマガジンとホームページを連動させたマーケティングを確立、WEBを使ったマーケティングの草分け的な存在となる。「成功曲線を描こう」 「心を身軽にする80のインストラクション」「営業マンは断ることを覚えなさい」「気絶するほど儲かる絶対法則」などを出版。「営業マンは断ることを覚えなさい」はアマゾン2週間トップ。
12年運営する勉強会、高収益トップ3%倶楽部の参加者は3500社を超える。
2009年より、上場企業の経営経験がある講師が経営者の教育する経営次進塾を主催。
現在は上場企業を含む中小・中堅企業の経営者に対する経営指導を行う一方で、Facebookやポッドキャストなどの新しいメディアを活用し幅広 い層のビジネスパーソンにも経営や管理、組織運営のノウハウを発信している。

※現在配信中のポッドキャスト「石原明の経営のヒント+(プラス)」
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ナビゲーター:山下 健一(やました けんいち)
296会社どっとこむ 代表

国立大学卒業後、大手記帳代行会社(顧客数700社以上)に入社。新規顧客開拓及び月次フォローに従事。記帳代行トップセールス賞・社長賞を多数受賞。当時のクライアントに経営幹部として入社。
平成18年に296会社どっとこむの運営を引継ぐ。

制作提供:296会社.com (作ろう会社どっとこむ)事業部
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