話題のカリスマ社長から学べ!経営の才覚

<ゲストプロフィール>

トレンダーズ株式会社
代表取締役/経沢 香保子(つねざわ かほこ)

株式会社リクルートに入社後、、創業間もない楽天株式会社へ移り、楽天大学などさまざまな新規事業開発に携わる。 2000年、女性に特化したマーケティングサービスを提供するトレンダーズ株式会社を設立、代表取締役に就任。

監訳を務めた「メガトレンド2010」も好評発売中!

VOL.1
あなたの会社は誰も知らない!無名の会社の効果的なPR戦略

新会社法が施行され、誰でも簡単に法人設立できるようになりました。
しかしせっかく会社を作ったからといっても、あなたの会社を知っているのは
家族や知人友人だけ。起業当初というのは、無名であるということだけで、
なかなか信用してもれえず取引につながらないということがあります。

そこで、女性に特化したマーケティング事業で起業し、数々の事業部を立ち上げ成功を収めたトレンダーズ株式会社、代表取締役である経沢香保子さんに会社の認知や信頼度をあげるための秘訣を伺った。

1.無名の会社が広告費ゼロで知名度アップ

トレンダーズといえば、現在では女性に特化した マーケティング会社というイメージが定着している有名な会社です。 しかし、どのような会社も独立して会社を設立したばかりの時は、自分の会社のことを知っているのは友人、知人と家族ぐらいのもので、どんなに商品やサービスのクオリティが良くて自信があっても、お客様にはなかなか信用していただけない現状があると聞きます。 経沢社長も起業したばかりの頃に会社の認知度が低いことでご苦労されたご経験はありますか?

今は順調に事業が進んでいる印象があるかと思いますが、設立当初は 「会社の知名度がないことがこれほど惨めなものなのか」と痛切に感じることがしばしばありました。 私としては、他にはないめずらしいサービスであったり、世の中に必要とされるべき 良いサービスを提供している、それも適正価格以下で提供しているという確信があるのに、 思うように売れないということがありました。

具体的にはどのようなことが……

会社のことをゼロからひとつひとつ説明しないとなかなか理解してもらえない。 知人や紹介以外からの取引となると時間と労力が掛かる。 また、お客様が大企業の場合、知らず知らずのうちに弱い立場に立たされてしまう…… などということがありましたね。

名前の知られていない会社やサービスは、まず認知されることが大変ですし、 認知されたとしても次に信用してもらうことが大変です。 そして信用されたとしても取引してもらうまでがこれまた大変……。 何か世の中に新しい物を生み出すことができ、それが非常にいいものだと 自分が自信をもって提供していたとしても、普及させるまでには 自分が思っているよりもずっとずっと大変なんだ……と設立当初は苦労の連続でしたね。

自分の扱っている商品が、世の中に対しての認知度が低いというだけ理由で、 断わられる以前に相手にもしてもらえていない…… そんな思いで悔しくて悔しくて仕方がありませんでした。

サラリーマン時代と比べて起業されたときの営業活動はどういう違いがありましたか?

実際、リクルート時代はお客様にニーズがあれば簡単に受注を受けることができました。 でも、独立したころは「トレンダーズ?知らないし、いらない」という感じで、いい商品やサービスがあるから売れるというのは無名の会社では間違った考え方で、 ある程度会社を認知してもらい、また信頼してもらわないと売れないのだと痛感しました。

なるほど、経沢社長も他の起業家と同じご苦労をされていたのですね。 そんな状況下で現在のようなトレンダーズの認知度や、多くの方から信頼される企業に 発展することができたのには何か秘訣があるのですか?

まず「自分の会社は無名だけれども信頼を上げるにはどうしたらいいのか?」 「一人でも多くの人に知ってもらうには何をしたらいいのか?」 「新しいお客さんと取引をたくさんするのはどうしたらいいのか?」…… そんなことを毎日、毎日考えていましたね。

そこで自分の会社を知ってもらうためには広告だと考え、広告を打ってみましたが、 まったく反応がなく失敗に終わりました。 この失敗でわかったことは、小さい会社にとって広告はあまり意味がないということでした。 有名な会社であれば効果はあったのかもしれませんが、名もない会社が広告を何回打っても、 誰も見向きもしません。

そんなときに、ある人からの紹介で雑誌の取材を頼まれました。 そして、その雑誌に掲載されると記事を読んだ方から「ぜひ会いたい」とお電話を頂きました。 それまではこちらから会いに行っても見向きもされなかったのに、 雑誌に掲載されたことでトレンダーズの信用が一気に上がりました。 それからはお客様からの問い合わせが多くなりましたね。

確かに雑誌に掲載されている広告を見たときに、いい商品やサービスだと思って 購入することもありますけど、自分で自分のことをアピールしていると思ってしまう、 たとえ優れた商品でも「本当にいいのかな?」と疑ってしまうことがあります。 でも、第三者が損得勘定抜きで客観的に判断した商品・サービスの記事を雑誌で読んだら、 同じ商品でも迷わず買っちゃいますね。

2.会社の根幹がしっかりしていなければ取材は逆効果


ところでトレンダーズでは自社の実体験をベースにプレスリリース配信のサービスを されていらっしゃいますが、マスコミの方々に取材依頼される秘訣は何でしょうか?

そのことについてお話させていただく前に、最初に皆さんにお伝えしたいのは 「マスコミに取り上げてもらえばうまくいく」「マスコミを利用すれば商品が売れる」 「取材を受ければ有名になれる」と勘違いされる方が多いということです。

それよりもまず大切なことは、自社の商品・サービスに価値があり、 会社の質がしっかりしていることが大前提になります。 会社の内容や根幹がしっかりしている企業でなければ、記事を読んで お問い合わせいただいたお客様の期待やマスコミの方々の信頼を裏切ってしまいますから、 まずは自社の土台をしっかり築き上げることが重要だということを 皆さんにはご理解いただきたいですね。

そうですよね。そもそも提供する商品・サービスのクオリティが低かったり、 会社の内容や体制や応対などがお粗末であれば、本末転倒ですから。 では、自社の土台をしっかり築き上げた上で、マスコミの方々に取材依頼されるための 秘訣はなんでしょうか?

弊社でもいろいろな企業のプレスリリース配信のサービスを含め、 広報活動のお手伝いをさせていただいていますが、こちらがいくら掲載してほしいと思っても 記事を書く記者が価値があると思っていない限り取材には来ていただけません。

“価値がある記事”というのはニュース性、新規性、もしくはこんなものが巷で流行っている、 流行りそう、こんなおもしろいものがあるなどという“特集”があるかということです。 自社の情報を取り上げてもらう場合、商品・サービス、会社のおもしろい仕組み、 社長のキャラクターなど、いずれにしても、時代の流れに合わせ、たくさんの人が おもしろいと感じることを客観的にマスコミに伝えていくことが大切になってきます。

具体的にトレンダーズさんで成功した事例などはありますか?

 

女性起業塾を始めたばかりの頃は女性で起業している人はまだ少なく、 珍しさを狙い、プレスリリースで“日本初”“若い世代”ということを強調したことがありました。 また、その時には“女性の起業”をブームにすることも狙っていたので 「スチュワーデス、女子アナの次は女性起業家の時代」というようなキャッチコピーをつけたところ、 多くのマスコミで取り上げていただけましたね。

なるほど、経沢社長のように、少し時代の先を読んでニュースになるような 世の中に必要とされている商品・サービスを提供することが重要になってくるのですね。

──次回、Vol.2『起業の成功の秘訣はクオリティとオンリーワン!』へ続く

ゲスト:経沢 香保子(つねざわ かほこ)
トレンダーズ株式会社 代表取締役

1973年千葉県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、株式会社リクルートに入社。その後、創業間もない楽天株式会社へ移り、楽天大学など様々な新規事業開発に関わる。2000年、26歳でトレンダーズ株式会社を設立、代表取締役に就任。“「女性」と「働く」をHAPPYに”を起業理念として、女性に特化したマーケティング事業やPR支援事業、女性の起業やキャリア支援サービス「女性起業塾」「戦略キャリア塾」や、女性に特化した転職支援サービス「トレンダーズキャリア」を提供している。特に、女性のキャリア支援に関しては、各種の無料サービスや無料イベントを続々と行っており、ネット上で日本初となる女性限定SNS「Only1.be」の運営など、向上心溢れる女性たちの支援に全社をあげて力を入れている。著書には10万部のベストセラー「自分の会社をつくるということ」「ミリオネーゼの起業入門」がある。2006年3月には、経沢香保子監修の書籍であり、トレンドリーダー50名の女性が登場する「夢を実現した わたしの仕事 わたしの方法」が発売された。また、監訳を務めた「メガトレンド2010」も好評発売中。

ナビゲーター:大橋 悦子(おおはし えつこ)
株式会社ECOM 代表取締役、296有限責任事業組合(296LLP) 職務執行者

平成5年株式会社金沢エアシステム入社し、株式会社日本エアシステムグランドホステスに勤務。その後、平成8年、渋谷工業株式会社入社国際部配属を経て、平成12年伊藤忠商事株式会社へ入社し、輸出入業務、営業、為替予約管理全般に携わる。平成14年起業家支援サイト296会社.com (作ろう会社どっとこむ)(http://www.296kaisha.com)を立ち上げ、翌年リーダーズクリエーション株式会社(現株式会社ECOM)を設立、代表取締役に就任。平成18年296会社有限責任事業組合(296LLP)立ち上げ、296会社.com (作ろう会社どっとこむ)事業部を同組合で職務執行者として運営。

独立開業支援を軸に、各分野のスペシャリストと業務提携し国内外法人設立支援、経理記帳支援事業、戦略の立案、各種法的相談支援、広報・PR・セミナーなどの企画・立案・運営業務の事業を幅広く行う。

小冊子「誰も教えてくれなかった起業・独立の極意」通算2万8,000部発行配布、「資本金1円で会社設立」セミナー通算15回開催延べ約500人参加、100社以上設立支援、「サラリーマン起業で年収3倍倶楽部」通算17回開催延べ2,000人参加、その他会計税務セミナー、コンサルティングコースなど開催し、毎回満員御礼にて多数の実績。

制作提供:(株)ECOM296会社.com (作ろう会社どっとこむ)事業部
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