一点突破、全面展開!!売れるサービスの決め方・売り方

ロゴ作成(ビズアップ)

津久井将信  株式会社ビズアップ 代表取締役

<プロフィール>
妻の妊娠を機に起業を決意。結婚資金の80万円をもとに昼は営業派遣、夜は起業準備という時期を乗り越え、現在ナンバーワンロゴ作成専門サイト「ビズアップ」を企画・運営する株式会社ビズアップを設立。2009年3月現在で、ロゴ作成受注数2197社の実績がある。

今回は、ロゴ作成に特化することで、デザイン会社ひしめく昨今でも差別化に成功し、フロントサービスとなるロゴ作成の依頼が集まり、それに付随する商品・サービスも自然と売れる仕組み構築に成功されている株式会社ビズアップ代表取締役の津久井将信さんに、起業してからこれまでの3年間を振り返り、差別化できる・売れるサービスの決め方と売り方について、NO1ロゴ作成の実績を出すまで事業を成長させたその成功の秘訣を伺った。


【VOL.3】売れるデザインのポイントと注意点
「1.人気デザイナーに共通するデザイン力とコンセプト力」

山下:フロントエンドだけで、事業が成り立っているのも凄いですね!

津久井社長:はい。

ただバックエンドをやるだけでは面白くないので、システムを構築し自然とバックエンドの仕事が取れる仕組みを作りたいと思っています。

山下:サイトを作成する場合も、ロゴと同じデザイナーが作った方がまとまる気がしますね。

津久井社長:確かにそうですね。
ロゴを作る際も、お客様のコンセプトを全てお聞きしているので、二度手間にはならないと思います。

同じコンセプトを元に作る事の出来るデザイナーなので、やはりお客様には満足して頂けると思います。

山下:ワンストップで提供してもらえるというのは、ユーザーとしても嬉しいことですね。
津久井社長が大切にしている価値観やビジネスに対する考え方を教えて下さい。

津久井社長:仕事は人生を豊にする上で一つの手段でしかないと思っています。
また、 ビジネスでお金を稼ぐことができれば、周りの人も幸せにする事が出来ます。

私の家族や私の周りで関わっている人、私を慕ってくれる人は絶対に幸せにするという私のミッションを果たすこともできます。
そのミッションが私の価値観でもあります。

山下:素晴らしい価値観ですね。その価値観は昔からお持ちになられていたのですか?
それとも徐々に変わってきたのですか?

津久井社長:昔からぼんやりとはありましたが、言葉になったのは起業してからです。

山下:なるほど。

今後たくさんの方々と関わると思いますが、どういう方と一緒に仕事をしたい、協力してもらいたいと思いますか?

津久井社長:月並みな言葉ではありますが、誠実で正直な方です。

もちろんパートナーシップを組むからには、双方儲けたいという気持ちが、お互いにあると思います。そういった気持ちを正直に言える人の方が気持ち良いです。

下手に隠そうとして、こちらのメリットばかり言うのではなく、
「お互い稼ぐために一緒にやろう!」と素直に言える方が良いです。

山下:なるほど。
最初にお互いコミットし合えるのはいい関係ですね。
今、時間の使い方で気をつけている事はありますか?

津久井社長:なるべく休みの日は家族と過ごすようにしています。

夜もなるべく家族と一緒に食事できる時間に帰るように心がけています。
帰れなくても家がオフィスの近所なので、一度家に帰って食事して、またオフィスに戻って仕事するようにしています。

後は、遊ぶ時間も必要なので、仕事と遊びのメリハリを付けるようにしています。

山下:遊ぶ時間は大切ですね。息抜きしないとクリエイティブさが死んでしまいますから。

津久井社長:最近は読書に費やす時間が多いです。

読書は楽しいですが、二、三時間費やすのも時間がもったいないと感じ、速読法の講習を受けるなどして、なるべく時間を有効に使おうと心がけています。

山下:これを見て御社に登録したいと思うデザイナーの方もいると思いますので、御社に登録する条件を教えて下さい。

津久井社長:まずは作品を見させて頂きます。
作品を見る意味は2つあります。

まず一つ目は、今までどのような事をやられてきたのか、
二つ目は、実績は関係なくどんなセンスを持っているか
という2つの視点でデザイナーとしての素質をチェックさせて頂きます。

その後、弊社のコンペ形式の仕事に参加して頂きます。

仕事のやり取り、スムーズさや、レスポンスの速さ、メールの文章能力等をチェックさせて頂きます。逆にそのやり取りの中で、デザイナーの方もビズアップはどういった会社なのか、これから一緒にやっていく価値があるのか等をチェックして頂ければと思います。

弊社も契約したい、デザイナーの方も契約したい、双方同意した時に、最後は人間性を見させていただくために面談に入ります。
特に問題が無ければそこで契約という流れです。

 

山下:人気ロゴデザイナーの特徴はありますか?

津久井社長:デザインの部分でいくと、クオリティーが高い方。
クオリティーが高いというのには、2種類あります。

一つ目はデザインの形、造形が上手に作れる方
二つ目は、コンセプトの作り方が上手な方です。
どちらか一つでも秀でていると、お客様に満足していただけける可能性が高いようです。

山下:デザインであれば目に見えますが、コンセプトは目に見えないものですよね。
その「コンセプトが良い」というのは、具体的にはどういったことでしょうか?

津久井社長:例えば、誠実な会社というコンセプトで、誠実さを感じるモチーフや色使い、
造形を使い、誠実な会社がイメージできるデザインを上手に表現できるという事です。

デザイナーによっては、コンセプトを元にキャッチコピーを作れる方もいますし、
そういったサービスを提供できるとお客様の満足度もあがります。


だから、デザイン力とコンセプト力の両方得意なデザイナー、もしくは片方でも秀でている方は、仕事ができる人です。

逆に、デザインのクオリティーが上がらないデザイナーは、デザインにそういった側面があるとさえ気付いていないようで、出来上がりも中途半端なものになってしまいます。

実体験がないから腑に落ちていないかもしれませんが、デザインが中途半端だと、お客様の仕事は依頼できないという結論に至ってしまいます。

山下:なるほど。
とても実践的な視点ですね。他にはありますか?

津久井社長:デザインのクオリティー性と並んで大切なのは人間性です。

どんなに素晴らしいデザインを作っても、お前のデザインは使いたくないと言われてしまえば終わりです。
お客様とコミュニケーションをきちんと取れることができること、失礼がなく誠実で、かつ良い意味でフレンドリーにでき、しっかりろコミュニケーションが取れる方です。
デザインのクオリティーと人間性、この二つが備わっているデザイナーには、毎日仕事をお願いしています。

山下:理解されていない方も多いのでは?

津久井社長:はい。今後はデザイナー向けの教育ビジネスもやっていきたいと考えています。


【VOL.3】売れるデザインのポイントと注意点
「2. 売れない商業デザインはゴミ!?売れるロゴ作成のポイント」

山下:では、これからロゴを作成する企業様に向けて、ロゴ作成業者選びのポイントなどあれば教えてください。

津久井社長:まず、値段が高ければ良いという問題ではありません。

先日も、知人のデザイナーに30万円でデザインを作ってもらったが、全く気に入らないので、ネットで探してビズアップに発注してくれたお客様がいらっしゃいました。

そのデザインを見せて頂きましたが、「これで30万円!?」って感じで酷いものでした。

また、安さだけのところはクオリティーが低くなってしまいます。

デザイナーが安い仕事を続けていては、クオリティーも高まりません。
デザイナーも稼ぐことができ、お客様も満足する金額であれば、値上げをすると心に決めています。

ネットで探して安いだけのところに頼むと、デザイナーに対する報酬を下げるため、実務経験がないデザイナーや学生にデザインを作らせているのが現状です。

そういったところは当然クオリティーも低くなります。
必ず適正価格はあると思いますので、フェアな金額できちんとしたデザインを作っていただける会社をしっかり見極めていただき頂きたいと思います。

山下:そう考えると、1人のデザイナーにお願いするというよりも、何人かのデザイナーに一括で相談できるサービスがあると良いですね。

津久井社長:はい。
競合他社に多いのが、1案プラスするごとに1万円刻みで料金が上がっていくケースです。

2案でも気に入ったデザインが出る場合もあれば、4案出しても気に入ったデザインが出ない場合もあるので、これはほとんどギャンブルと同じことです。

まだイメージが固まっておらず、いろいろと見たいというお客様のために、弊社では複数のデザイナーが参加して10以上のデザインを提案するコンペスタイルをご用意しています。

デザイナーが7名から10名以上参加し、一人一案以上を出してもらうことで10案以上をお客様に見ていただけるオプションです。

山下:イメージが固まっていない企業にとっては、とても嬉しいサービスですね。自分で複数のデザイナーに投げるとなると手間もかかりますから。
では、ロゴを作成する際の注意点を教えてください。

津久井社長:自己満足で終わってしまわないことです。

山下:具体的には?

津久井社長:お客様側の自己満足で終わってしまう場合もあれば、逆にデザイナー側の場合もあります。

私にはマーケティングとは別に、もう1人デザインの師匠がいます。
75歳になるデザインや商品開発を熟知したコンサルタントの先生なのですが、その師匠が
「商業デザインは売れなければゴミです。」
と言い切っています。

 

山下:なるほど。確かにそうかもしれませんね。

津久井社長:ロゴにも近い部分があって、自己満足で終わるものではなく、見る人の事を考え作らなければいけないと思っています。

ただ、ロゴは自社を表すシンボルでもあるので、目にする人だけの満足だけでも足りません。
弊社はいつもお客様に

「自分の表現したいものを入れてもらっても問題ありません。
ただし目にする人の事も意識して、割合だけははっきりして下さいね。」

とお伝えするようにしています。

だから、自分の満足度を高めるロゴが欲しい場合は、
7:3 (7は自分たちの希望・要望、3は見る人を意識)

逆に、
ロゴをたくさんの方々が目にする機会が多い場合は、
8:2 (8は見る人を意識、2は自分の要望)

となります。
このように、事前にお客様の中で整合性をとってもらうことが
ロゴ作成の注意点であり重要なポイントだと思います。

この割合をデザイナーに伝えていただくと、デザイナーも
どういったロゴを作れば良いか分かりやすいと思います。

山下:すごいですね。ロゴを科学されているように感じました。
本当にお願いしたくなってきました(笑)
では、今後の津久井社長の展望を聞かせてください。

津久井社長:ビジネスが好きなので、デザイン業界にとらわれず、様々なビジネスをやっていきたいと思っています。
デザインのビジネスで言えば、、フリーのデザイナーとして、どうやったら仕事が取れるのかという集客の部分を伝えていきたいと思っています。

デザインを作る教育もあるのですが、実績や経験があるデザイナーにあまり言う事はないので、お客様とのコミュニケーションの取り方や、デザインでヒヤリングした部分からのデザインの組立て方、マーケティングノウハウを伝えていきたいと思います。

山下:フリーランスにとって、やはり一番のポイントは集客ですね。

津久井社長:はい。
もう一つは新サービスです。今事務所にも、ビールやポテトチップスがたくさん散乱していますが、現在独自のマーケティング調査を行っているところです。

ビール、シャンプー、ポテトチップス、男性用パンツ、ハンカチなど約230点あります。
何をやっているかというと、全国8箇所のお店に直接行き、

『最も売れている物3つと、最も売れてない物3つ下さい』
というスタイルで、買い集めてきた物をもとに、売れる色があるのか、
売れない色があるのかを調べています。

当然、色だけではなく、パッケージを集めてみると見えてくるものがあります。
そういうものを研究していき、売れるデザインの診断サービスやコンサルティングを新サービスとして提供して行きたいと思っています。

山下:面白いですね!!

津久井社長:はい。
中期的な展望として、どのデザインなら売れるのか、このデザインで販売していいのか、
という診断やコンサルティングができたらと思っています。

山下:長期的には、走りながら違うビジネスが見えてきたら取り込んでいくという感じでしょうか?

津久井社長:そうですね。
従業員を増やす事も一つの社会貢献なので、今後は従業員も増やして行きたいと思っています。

山下:では最後に、次世代の起業家・経営者の方に、起業の心得も含めメッセージをお願い致します。

津久井社長:起業をしたいと熱い情熱をお持ちであれば、年齢や人脈、お金があるかないかは関係ないと思いますし、それにとらわれず起業してもらいたいと思います。
現に私自身、人脈もお金もなく起業しました。

必ず起業するきっかけや方法はあるはずなので、きっかけを常に探してもらいたいと思います。
また、失敗や怖い思いは絶対にあると思いますので、その覚悟は必要です。

とにかく、自分が起業したいと思ったのであれば、手元に何もなくても、
無いことを理由に行動に移さないのではなく、どうやれば起業できるのかを
突き詰めて考え行動に移すことが重要だと私は思います。


<インタビューを終えて> 山下コラム


◆成功と失敗の分かれ道◆
~ その1 ~
【ビジネスモデル】

世の中の流れを見ているとフリーランス(デザイナー)が増えてきている。しかし、ほとんどのデザイナーが新規受注に困っているところに目を付け、集客だけに特化し仕事をとってきてあげるビジネスモデル、つまり仕入れを必要としないマッチングモデルでスタートすることで、資金がゼロでも起業が実現。

世の中にデザイナーが不足していたとしたら、成立しないモデル。逆を言えば、増えすぎてしまったものがあれば、同じくその増えすぎた対象を集め、同様の切り口で考えてみることもヒントになると思います。

~ その2 ~
【二人の師匠】

集客とサービスそれぞれにおいて、教えを乞える二人の師匠を見つけ、協力してもらえる関係構築ができていた。1人で起業はするけれど、まったくのゼロよりもはるかに早く成果を出すことはできるのは明らか。

津久井社長自身の、自分自身を自然と売り込める営業力、そして協力者によって高い集客力と業界(デザイン)に関する深い知識も外からは見えないけれど大きな成功要因と思います。

~ その3 ~
【サービスを絞る】

Web作成ではなく、ロゴ作成にサービスを絞ることで、競合と差別化し集客力をアップさせた。

ロゴではなくWeb作成でサービス提供をしていたら、無料で提供することのコストと労力がかかり過ぎ成立しない。手軽に発注できるロゴ作成に特化したから成功したモデル。フロントエンドとしてのビジネスモデルのお手本でありヒントになると思います。

~その4 ~
【業界初】

業界初となるロゴデザイン無料提案の仕組みを取り入れたことで、競合と差別化し集客力をアップさせた。

それまでなかった新しい切り口というのも、差別化の一つとなる。全ての提案が有料だったとしたら、受注は取れたかもしれないが、起業半年で軌道に乗せ、業界NO.1の実績を打ち出すことは出来なかったでしょう。

以上、ビジネスモデル、集客力、営業力、差別化(サービスを絞る・業界初)、この4つこそが起業成功への最初に分かれ道だと言えます。


 

今回の取材を機に、作ろう会社のロゴ作成をお願いさせていただきました。
ヒヤリングから納品まで、高いサービス力とデザイン力に大変満足しました。

  「以前」                  「ビズアップに依頼」

          


ゲスト:津久井将信  株式会社ビズアップ 代表取締役

ロゴ作成(ビズアップ)

<プロフィール>
妻の妊娠を機に起業を決意。結婚資金の80万円をもとに昼は営業派遣、夜は起業準備という時期を乗り越え、現在ナンバーワンロゴ作成専門サイト「ビズアップ」を企画・運営する株式会社ビズアップを設立。2009年3月現在で、ロゴ作成受注数2197社の実績がある。

今回は、ロゴ作成に特化することで、デザイン会社ひしめく昨今でも差別化に成功し、フロントサービスとなるロゴ作成の依頼が集まり、それに付随する商品・サービスも自然と売れる仕組み構築に成功されている株式会社ビズアップ代表取締役の津久井将信さんに、起業してからこれまでの3年間を振り返り、差別化できる・売れるサービスの決め方と売り方について、NO1ロゴ作成の実績を出すまで事業を成長させたその成功の秘訣を伺った。

ナビゲーター:296会社どっとこむ
山下健一(やました けんいち)

<プロフィール>

新卒で会計コンサルタント、新規開拓営業として急成長のベンチャー企業に入社。入社して3ヶ月目から営業実績表彰を多数受賞。クライアント数延べ約107社を担当し、会計経営コンサルタントとしてクライアント企業に毎月のコンサルティングと状況に応じた税理士・司法書士・社労士・弁護士・行政書士などのアレンジメントを行う。

平成15年、インターネットマーケティング活用した急成長中のクライアント企業へ経営幹部としてヘッドハンティングされ、CFO(財務管理責任者)、人事責任者、経営戦略に従事。新卒・中途合わせ、選考人数1,500名を超える。同社は現在、オリコン人気投票3年連続1位を獲得するまでの優良企業で知られる。

 

──次回、Vol.2:『起業前に決めること、起業後に変えること』へ続く

バックナンバー
Vol.1:『背水の陣!!絶対失敗できない状況下で起業を成功させる方法』
Vol.2:『起業前に決めること、起業後に変えること』
Vol.3:『売れるデザインのポイントと注意点』