山下:なるほど。確かにそうかもしれませんね。
津久井社長:ロゴにも近い部分があって、自己満足で終わるものではなく、見る人の事を考え作らなければいけないと思っています。
ただ、ロゴは自社を表すシンボルでもあるので、目にする人だけの満足だけでも足りません。
弊社はいつもお客様に
「自分の表現したいものを入れてもらっても問題ありません。
ただし目にする人の事も意識して、割合だけははっきりして下さいね。」
とお伝えするようにしています。
だから、自分の満足度を高めるロゴが欲しい場合は、
7:3 (7は自分たちの希望・要望、3は見る人を意識)
逆に、
ロゴをたくさんの方々が目にする機会が多い場合は、
8:2 (8は見る人を意識、2は自分の要望)
となります。
このように、事前にお客様の中で整合性をとってもらうことが
ロゴ作成の注意点であり重要なポイントだと思います。
この割合をデザイナーに伝えていただくと、デザイナーも
どういったロゴを作れば良いか分かりやすいと思います。
山下:すごいですね。ロゴを科学されているように感じました。
本当にお願いしたくなってきました(笑)
では、今後の津久井社長の展望を聞かせてください。
津久井社長:ビジネスが好きなので、デザイン業界にとらわれず、様々なビジネスをやっていきたいと思っています。
デザインのビジネスで言えば、、フリーのデザイナーとして、どうやったら仕事が取れるのかという集客の部分を伝えていきたいと思っています。
デザインを作る教育もあるのですが、実績や経験があるデザイナーにあまり言う事はないので、お客様とのコミュニケーションの取り方や、デザインでヒヤリングした部分からのデザインの組立て方、マーケティングノウハウを伝えていきたいと思います。
山下:フリーランスにとって、やはり一番のポイントは集客ですね。
津久井社長:はい。
もう一つは新サービスです。今事務所にも、ビールやポテトチップスがたくさん散乱していますが、現在独自のマーケティング調査を行っているところです。
ビール、シャンプー、ポテトチップス、男性用パンツ、ハンカチなど約230点あります。
何をやっているかというと、全国8箇所のお店に直接行き、
『最も売れている物3つと、最も売れてない物3つ下さい』
というスタイルで、買い集めてきた物をもとに、売れる色があるのか、
売れない色があるのかを調べています。
当然、色だけではなく、パッケージを集めてみると見えてくるものがあります。
そういうものを研究していき、売れるデザインの診断サービスやコンサルティングを新サービスとして提供して行きたいと思っています。
山下:面白いですね!!
津久井社長:はい。
中期的な展望として、どのデザインなら売れるのか、このデザインで販売していいのか、
という診断やコンサルティングができたらと思っています。
山下:長期的には、走りながら違うビジネスが見えてきたら取り込んでいくという感じでしょうか?
津久井社長:そうですね。
従業員を増やす事も一つの社会貢献なので、今後は従業員も増やして行きたいと思っています。
山下:では最後に、次世代の起業家・経営者の方に、起業の心得も含めメッセージをお願い致します。
津久井社長:起業をしたいと熱い情熱をお持ちであれば、年齢や人脈、お金があるかないかは関係ないと思いますし、それにとらわれず起業してもらいたいと思います。
現に私自身、人脈もお金もなく起業しました。
必ず起業するきっかけや方法はあるはずなので、きっかけを常に探してもらいたいと思います。
また、失敗や怖い思いは絶対にあると思いますので、その覚悟は必要です。
とにかく、自分が起業したいと思ったのであれば、手元に何もなくても、
無いことを理由に行動に移さないのではなく、どうやれば起業できるのかを
突き詰めて考え行動に移すことが重要だと私は思います。
<インタビューを終えて> 山下コラム
◆成功と失敗の分かれ道◆
~ その1 ~
【ビジネスモデル】
世の中の流れを見ているとフリーランス(デザイナー)が増えてきている。しかし、ほとんどのデザイナーが新規受注に困っているところに目を付け、集客だけに特化し仕事をとってきてあげるビジネスモデル、つまり仕入れを必要としないマッチングモデルでスタートすることで、資金がゼロでも起業が実現。
世の中にデザイナーが不足していたとしたら、成立しないモデル。逆を言えば、増えすぎてしまったものがあれば、同じくその増えすぎた対象を集め、同様の切り口で考えてみることもヒントになると思います。
~ その2 ~
【二人の師匠】
集客とサービスそれぞれにおいて、教えを乞える二人の師匠を見つけ、協力してもらえる関係構築ができていた。1人で起業はするけれど、まったくのゼロよりもはるかに早く成果を出すことはできるのは明らか。
津久井社長自身の、自分自身を自然と売り込める営業力、そして協力者によって高い集客力と業界(デザイン)に関する深い知識も外からは見えないけれど大きな成功要因と思います。
~ その3 ~
【サービスを絞る】
Web作成ではなく、ロゴ作成にサービスを絞ることで、競合と差別化し集客力をアップさせた。
ロゴではなくWeb作成でサービス提供をしていたら、無料で提供することのコストと労力がかかり過ぎ成立しない。手軽に発注できるロゴ作成に特化したから成功したモデル。フロントエンドとしてのビジネスモデルのお手本でありヒントになると思います。
~その4 ~
【業界初】
業界初となるロゴデザイン無料提案の仕組みを取り入れたことで、競合と差別化し集客力をアップさせた。
それまでなかった新しい切り口というのも、差別化の一つとなる。全ての提案が有料だったとしたら、受注は取れたかもしれないが、起業半年で軌道に乗せ、業界NO.1の実績を打ち出すことは出来なかったでしょう。
以上、ビジネスモデル、集客力、営業力、差別化(サービスを絞る・業界初)、この4つこそが起業成功への最初に分かれ道だと言えます。
今回の取材を機に、作ろう会社のロゴ作成をお願いさせていただきました。
ヒヤリングから納品まで、高いサービス力とデザイン力に大変満足しました。
「以前」 「ビズアップに依頼」
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